JUFA 全日本大学サッカー連盟

デンソーカップ
『デンソーカップサッカー2019』記者会見レポート
2019/02/27

 3月1日に開幕する『第33回デンソーカップチャレンジサッカー 堺大会』に先立ち、『デンソーカップサッカー2019』の記者会見が、2月26日(火)に行われました。

 会見には、公益財団法人日本サッカー協会・岩上和道副会長、一般財団法人全日本大学サッカー連盟・中野雄二技術委員長、そして特別協賛社の株式会社デンソー総務部社会貢献推進室長・布施浩二氏らが登壇。また今大会に参加する全日本大学選抜の松本直也監督、三笘薫選手、旗手怜央選手、上田綺世選手、オビ パウエルオビンナ選手が大会に向けての抱負を語りました。



公益財団法人 日本サッカー協会 副会長 岩上和道



 現在、Jリーグではその選手の半数以上が大学サッカー出身者であり、大学からプロに行くという道筋ができています。そして、その多くがこの大会を経験しました。また1月に行われた『AFC アジアカップ UAE 2019』では、日本代表選手のうち8名が大学サッカー出身者で、東口順昭選手、シュミット・ダニエル選手、長友佑都選手、室屋成選手、佐々木翔選手、伊東純也選手、塩谷司選手、武藤嘉紀選手といった選手が日本代表で活躍しております。大学サッカーを通じてJリーグに入り、日本代表になり、日本のサッカーを担っていくということが、非常に重要な道筋になっている、ということを申し上げたいと思います。
 サッカー以外の活動も、大学生、大学サッカーの中で大きな位置づけになっています。大学サッカーではサッカー技術の向上だけではなく、人間形成や地域貢献、社会貢献にも力を入れています。2016年から行っている全国大会で1ゴールすることに500円(1コイン)を寄付する『One Goal One Coin』運動、そして昨年からは『#ATARIMAENI』という活動が行われています。これは暴力をなくす、不正行為をなくすといった活動です。日本サッカー協会でも、“リスペクトプロジェクト”という活動をしていますが、これはその活動ともリンクしているものと考えております。今日はこの場に4人の選手が登壇していますが、彼らもこういった活動に携わっております。こうした活動も、大学サッカーの重要な取り組みであることを、ご理解いただければと思います。



株式会社デンソー 総務部 社会貢献推進室室長 布施浩二氏



 弊社がこの大会を特別協賛社としてご支援させていただき、今年で27回目を迎えました。このような大学サッカー最高峰の大会に長く協賛できたことを大変喜ばしく思うとともに、長きにわたり、この大会を盛り上げてきた関係者の皆様に感謝を申し上げたいと思います。過去には長友選手、武藤選手、東口選手をはじめ、数多くの選手がこの大会で活躍しました。また昨年度の熊本大会、日韓定期戦に参加した名古屋グランパスの相馬勇紀選手は、先週開幕したJリーグにおいて得点を挙げるなど、すばらしい活躍をされています。今年、2019はイタリアのナポリでユニバーシアード大会が開催されると聞いています。前回の台北大会の優勝に続く、連覇をかけたチーム編成も始まっており、今大会ではそうした世界で活躍される選手のプレーがたくさん見られるかと思います。 この大会では大学サッカー最高峰の大会らしい、気迫あふれるプレーを見られます。また大会期間中に選手や関係者の皆さんが、こどもたちのサッカー教室や交流試合といった開催地域への貢献活動を行うということも、大変素晴らしいことと思います。こうした地域貢献はサッカーの裾野を広げるとともに、多くの人々の共感を得るものだと思います。
 またこの大会では学生スタッフのみなさんが、大会を自主運営しています。これまで開催されたどの会場でも、学生スタッフの皆さんがしっかりと大会運営をされており、運営面でも人材育成がされていると感じます。弊社は社会貢献活動の取り組みの柱のひとつに、人材育成、青少年育成を掲げていますが、本大会を通じて人材育成に少しでもお役に立てると思えば喜ばしいことですし、今後も引き続き応援していきたいと思います。



一般財団法人全日本大学サッカー連盟 中野雄二 技術委員長



 この大会は各地域の選抜チームと全日本大学選抜チームの8チームで、ノックアウト方式で戦う大会です。一般的には全日本大学選抜という、日本中の優秀な大学選手を集めたチームが優勝すると思われがちですが、過去、必ずしも全日本大学選抜が優勝してきたわけではありません。それはノックアウト方式の大会ということに加え、各地域選抜の選手にも自分をアピールしたいというモチベーションがあり、例年非常に競ったいいゲームが展開されています。
 全日本大学選抜の中には関東地域の選手が多く含まれており、関東選抜A、関東B・北信越選抜のも多くの有望な選手がおります。そうした背景もあり、ここ数年の決勝戦は、全日本、関東A、関東B・北信越、そして関西選抜などが進出しています。この大会には全日本選抜と各地域選抜の8チーム、160名以上の選手が参加していますが、アンダーカテゴリーでは代表に選ばなかった選手が、大学選抜でピックアップされていわゆる遅咲きをするなどの例もあります。大学サッカーを経由したことが遠回りではなく、充実した形としてフル代表につながっているわけです。もちろんアンダー世代の代表で活躍した後に大学サッカーにくる選手もいないわけではありませんが、どちらかといえば、18歳のときに何か足りないものがあってプロになれなかった選手のほうが多いでしょう。しかし大学の4年間で試合経験を積み、実戦経験を積むことで自分で考える機会を与えられ、それが日本代表というステージに結びついたのではないかと思います。そうした例もあり、多くの選手たちにとって選抜に選ばれることはひとつの目標、指針になります。当然モチベーションもレベルも高く、この大会を見れば、来年プロで活躍する選手も自ずとピックアップできるのではないかと思います。




松本直也 監督(全日本大学選抜/桃山学院大学)



 全日本大学選抜は今年7月に行われるユニバーシアード競技大会(2019/ナポリ)に向けた強化をしているチームですが、ユニバーシアードまで『デンソーカップチャレンジサッカー 堺大会』とアウェイで行われる日韓戦が唯一真剣勝負の公式戦となっています。そのため、全日本大学選抜としては『デンソーカップチャレンジサッカー 堺大会』で優勝し、日韓戦に勝利して、その結果をユニバーシアード大会にしっかりと結びつけることが重要だと考えています。
 今大会に参加する全日本大学選抜には、様々な背景をもった選手たちがいます。東京五輪世代の代表候補選手、すでにJクラブに内定しているものもいます。先日大阪で行った合宿では、選手ひとりひとりと面談し、それぞれにこのチームに懸ける思い、大学サッカーへの気持ちを確認しました。このことで、チームとしていかにまとまるかを、再確認できたと思います。
 本大会に参加する他地域の選抜チームにも素晴らしい選手は多くいますし、彼らは全日本を倒すという強い気持ちで向かってくるでしょう。非常にタフなゲームが展開されると思いますが、しっかりと戦って結果を残したいと思います。また、この大会で活躍した選手をもう一度選び直してアメリカ遠征、そして日韓戦に向けた準備を整え、最後となるユニバーシアード競技大会での優勝に向けて戦っていきたいと思います。



三笘薫(全日本大学選抜/筑波大・MF・3年)



本大会は全日本大学選抜が優勝しなければいけない大会だと思っています。ここ数年は全日本大学選抜が優勝できておらず、ふがいなさを感じています。チーム一丸となって優勝を目指し、他の選抜チームを圧倒して優勝したいと思います。



旗手怜央(全日本大学選抜/順天堂大・FW・3年)



先日大阪で行われた合宿を経て、チームがまとまってきたことを感じています。そのまとまりを今大会でしっかり発揮できるよう、優勝という結果を目指してがんばりたいと思います。



上田綺世(全日本大学選抜/法政大・FW・2年)



僕は、全日本大学選抜のFWとして選ばれたということは、全大学のFWの代表として選ばれたと思っています。この大会でそれにふさわしいプレーと結果を残し、チームとしての目標である優勝に貢献したいです。



オビ パウエルオビンナ(関東選抜A/流通経済大・GK・3年)



僕たち関東選抜Aは、昨年の大会の決勝で関東B・北信越選抜に敗れて準優勝になってしまいました。今年はそのリベンジを果たすべく、優勝を目指して大会に臨みます。また自分も含め各地域の選手は全日本大学選抜に選ばれることを目標にしてきたと思います。今大会では全日本大学選抜に選ばれませんでしたが、その悔しさを胸に、今後の選考、遠征などに絡んでいけるよう全力を尽くします。