JUFA 全日本大学サッカー連盟

デンソーカップ
【デンソーカップ日韓戦】前日練習ならびに選手コメント
2015/03/28
 約2週間にわたるバルセロナ/スペイン遠征を終え、わずかな休息期間を経て韓国入りをはたした全日本大学選抜。大会前日となる28日は、『デンソーカップサッカー第12回大学日韓(韓日)定期戦』の会場となる、華城総合競技タウンにて約1時間の公式練習を行いました。また練習後には、全日本大学選抜の後に会場に入った全韓國大学選抜の練習を、選手たちが興味深く観察するというひと幕もありました。

 夕方からは、韓国大学サッカー連盟主催のレセプションパーティーに出席。神川明彦監督をはじめとする全日本大学選抜が壇上に呼ばれると、福島春樹主将は挨拶とともに、「昨年は日本が6対0で勝ちましたが、今年は僅差の厳しい試合になると予想している。しかし韓国は日本の最大のライバルなので、絶対に負けたくない」と、29日の試合の意気込みを述べました。レセプションの最後には、両チームの関係者、スタッフ、選手が記念撮影をし、翌日の試合をフェアプレーで戦うことを誓い合いました

 以下は、参加選手のバルセロナ遠征の感想と『デンソーカップサッカー第12回大学日韓(韓日)定期戦』への意気込みです。

■松下佳貴(阪南大・3年・MF)

 バルセロナBとのトレーニングマッチは、開始早々に自分が絡んだミスで失点をしてしまったのですが、ああいう時間帯に失点するとゲームが崩れてしまうというのを、強く感じました。せっかく、いい対戦相手でみんな気合いが入っていたのに、あの失点をしまったことで、一度はゲームが壊れてしまった。でも全員がしっかり踏ん張って、気持ちを切り替えて盛り返せたのがよかったし、攻撃の面では相手どうこうではなく、自分たちがやってきたことを表現できたと思います。その中で、2失点してから3得点できたということは大きかったし、自信につながっています。

 アシストについては、1点目も2点目も(小林)成豪がすばらしいシュートを決めてくれたので、成豪のおかげです。3点目は、自分たちが今まで練習してきたことを出せた得点だったと思います。相手陣地でボールを(奥山)政(幸)が奪って自分が受けたのですが、そこからゴール前中央で呉屋(大翔)とワンツー、そこから3人目の(和泉)竜司が抜けだしたところをスルーパスを出して、そのままゴールという形でした。

 日韓戦は僕自身2回目となりますが、去年とは違ってアウェーだし、会場の雰囲気も違うと思います。昨年は日本が6対0で買っている分、相手も気合いを入れて勝ちにくると思います。それを受けるのではなく、逆に自分たちがチャレンジャー精神をもって、自分たちから仕掛けていきたいと思います。

■和泉竜司(明治大・3年・MF)

 バルセロナ遠征は個人としてもチームとしても、この日韓戦に向けていい遠征になったと思います。初戦は負けてしまいましたが、残り3試合は勝つことができ、個人的にも毎試合結果を出せたので、あとは最後の日韓戦で勝って、デンソーカップチャレンジサッカーからの流れを締めくくれればいいと思っています。

 遠征中の課題は、決められるべきときにもっと決めなければいけないということ。初戦もそうでしたが、バルセロナB戦でも、決勝点の前に決めるチャンスがあって……。決勝点を決められたからよかったけれど、その1点を2点、3点としていかないといけない。そこは自分次第だと思うので、得点やアシストにはこれからもこだわっていきたいです。
 バルセロナ遠征では、これまでにあまり経験のない、途中交代でのプレーも多く経験しました。スタートからでも途中からでも、自分のもてるものをすべて出してやるだけだと思うし、そこは一喜一憂せずにチームとしてやりたいです。

 僕自身は昨年の日韓戦に出ていないのですが、韓国は昨年ああいう負け方をして、絶対に負けられないという気持ちで向かってくると思う。難しい試合になると思うので、そこでいかに我慢するか。難しい試合になると思うので、みんなでしっかり耐えて、先制点を取ることができれば楽になれるんじゃないかと思います。

■新井一耀(順天堂大・3年・DF)

 バルセロナ遠征は人生で2度目のスペインということもあり、去年のスペイン遠征の時より感じることの多い遠征となりました。実際にバルセロナの試合をみたり、カンプノウのスタジアムツアーを経験したり、世界でいちばんのクラブがどういう環境でサッカーをしているのか知ることができて興味深かった。
 自分がバルセロナのユニフォームを着た相手と対戦するというのは、これまで想像もできなかったことでした。そのチームを相手に開始数秒で失点ということで、最初のほうはみんな怖がっていた部分があったし、自信のないようなところもあったと思います。けれど時間がたつにつれ、バルセロナのサッカーに対応できるようになって、自分たちの長所を出せるようになった。結果、3対2で勝てたということは自信になったと思います。 バルセロナに対しては、まず1対1で負けないということが大前提。それは、その前のオロット戦でもすごく感じていたので。絶対に1対1で負けない。そのうえで、バルサはけっこうつないでくるので、自分たちディフェンスラインがどれだけスイッチを入れて守備するかということが課題でした。試合中は、いいボールの取り方ができていた時もあったので、今までやってきたことの積み重ねができたのかな、と思いました。

 対して韓国は、去年の日韓戦でもけっこうロングボールを多用して、前半は押し込まれていました。セットプレーから失点してもおかしくないシーンもありましたが、今日のミーティングでそういうところはしっかり全員が危機感をもって対応しようと。ただ、スピードやフィジカルは相手のほうが上だと思うので、個人ではなくチームとしてカバーすることを意識して、相手のサッカーに合わせるのではなく、しっかり後ろからつないでいくサッカーをできれば、自ずと結果はついてくるのではないかと思います。

■重広卓也(阪南大・1年・MF)
 ヨーロッパに行くこと自体が初めてだったのでワクワクしていました。実際、バルセロナという街はすごくいい街だと思ったし、サッカーをする環境も非常によくて。対戦相手も、日本では経験できないくらいの当たりの強さでぶつかってきました。たとえば足の裏で削ってきても、謝ってもこないし(笑)。そういうずるさや激しさを学ぶ、いい機会になりました。
 全日本大学選抜は今回が初参加ですが、呼ばれたときは正直びっくりしました。みんな、名前や顔は知っているけれど遠い存在というふうに思っていたので、そんなところに年下の自分が入って……。いろいろなことに気を遣って最初は精神的に疲れることもありました。ただ、関西の人もたくさんいたし、(チームメイトの)松下くんからは「みんな優しいから、ビビらずに自分から絡んでいったら仲良くしてくれる。心配するな」とアドバイスをもらって。実際、ずいぶん仲良くさせてもらって、スペイン遠征の最後のほうはだいぶ打ち解けていたと思います。

 自分の特徴として、運動量の部分はすごく求められていると感じますし、このチームには僕みたいなタイプがいないと、いろいろな方から聞くので、運動量という部分を全面的にフィールドの上で出せればと思います。
 最後の試合での得点は、ほとんど呉屋さんの点だったんですけど……。自分の名前が残るならさわっておこうと思って、強引にゴールを奪いました(笑)。

 明日はチーム一丸となって戦って、個人的には少しでも試合に出られたら、全力で韓国にぶつかっていって、隙あらばゴールも奪いたいと思っています。