JUFA 全日本大学サッカー連盟

総理大臣杯
【レポート】『2018年度第42回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』1回戦レポート
2018/09/02

 全国9地域・24大学が参加する大学サッカーの夏の全国大会、『2018年度第42回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』が8月31日に関西各地で開幕した。

 今年度は松本大学(北信越第2代表)、明治学院大学(関東第2代表)、高松大学(四国大学)の3校が初出場。また昨年からの連続出場校が11校と全体の半数を割るなど、フレッシュな顔ぶれが揃った。




新潟医療福祉大学 1(1-1)2 中京大学



 2年ぶりの出場となった新潟医療福祉大は、4年連続出場の中京大と対戦。試合は前半から積極的にゴールを狙う展開となったが、先に動いたのは新潟医療福祉大だった。12分に10番・上米良柊人が相手GKのクリアボールを押し込んで新潟医療福祉大が先制する。攻めあぐねる中京大も前半終了間際の45分、7番・大城佑人が右サイドを突破。そのままゴール前まで持ち込み同点弾を放ち、試合を降り出しに戻す。

 中京大はハーフタイムに18番・辻泰志を投入。新潟医療福祉大も56分に3番・鶴田雄佑、61分に16番・佐々木快、67分に22番・髙野俊晟らを立て続けに投入。均衡を崩そうとするが、中京大も66分に10番藤島樹騎也をピッチに送り出し、一気に攻めに出る。10番・藤島の突破もあり、試合の流れは次第に中京大に。すると81分、中京大は7番・大城、8番・大谷晃平とつなぎ、最後は15番・市川兼伍が右足で合わせ中京大が追加点。逆転に成功した中京大がそのままリードを守りきり、2回戦に駒を進めた。




専修大学 2(1-0)0 高松大学



 長らく四国代表の座を守り続けてきた高知大学を、PK戦の末に下して本大会初出場を果たした高松大学。しかし立ち上がりから専修大に主導権を握られ、試合は厳しい滑り出しとなった。専修大は12分、11番・中山克広の右サイドを突破。11番・中山からのパスを受けた19番・中杉雄貴が、GKとの1対1を冷静に決めて先制する。

 専修大はその後もポゼッションでは高松大を圧倒しながらも、攻めあぐねて追加点を奪えず。一方の高松大もなかなか決め手を作れないまま90分が経過。そのまま終了かと思われた90+4分、17番・遠藤翔太からのクロスに15番・鹿沼直生が反応。ボールを収めると、そのまま頭で押し込み追加点。2-0で専修大が勝利した。




東北学院大学 0(0-1)1 福岡大学


 2年連続、今大会最多となる34回出場の福岡大学は、9年ぶりの東北学院大学と対戦。試合は両チームとも序盤から低調な滑り出しとなり、0-0のまま前半を終了。福岡大は前半の30分の交代に続き、ハーフタイムに11番・花田佳惟斗、17番・梅木翼のふたりを一気に投入。試合半ばで交代3枠を使うという思い切った采配に出た。

 すると交代2選手が、すぐさま期待に応えた。53分には17番・梅木のパスを受けた11番・花田がドリブルで独走。そのままゴールを決め、福岡大が先制点を挙げる。その後は福岡大、東北学院大ともに積極的にシュートを放つが、追加点なく1-0で福岡大が2回戦進出を決めた。




仙台大学 4(1-0)0 徳山大学


 4年連続出場の仙台大は12年ぶりの出場となる徳山大と対戦。試合は、全国大会常連校の仙台大が、徳山大を圧倒する結果となった。試合が動いたのは開始早々の6分。6番・吉野蓮、13番・岩渕弘人とつないで、14番・薄葉迅人がシュート。仙台大が先制するが、その後は攻めあぐねなかなか追加点を奪えない。

 しかし仙台大は後半にその攻撃力が爆発する。まずは57分、24番・人見大地の右CKから、14番・薄葉が合わせて追加点。14番・薄葉のこの試合2得点目となるゴールでリードを広げると、試合終盤の83分には交代出場の9番・本吉佑多が、8番・嵯峨理久からのクロスを頭で合わせて3点目。さらにアディショナルタイムに入った90+2分、こちらも途中出場の18番・志村弘樹がダメ押しの4点目をマーク。終わってみれば4-0と、仙台大が常連校らしい貫禄勝ちで初戦を突破した。




北海道教育大学岩見沢校 3(3-1、EX0-1)4 東海学園大学


 ともに出場回数は6回ながら、ここ数年連続出場をはたしている新鋭校同士。北海道教育大学岩見沢校と東海学園大学の対戦は、激しくゴールを奪い合う展開となった。
 試合序盤は東海学園大が主導権を握るも、決定機を決められず流れは次第に北教大に傾く。北教大は26分、CKからのこぼれ球を24番・小川達也が押し込んで先制すると、その1分後には19番・下田友也が左サイドからドリブルで仕掛け追加点。さらに34分、その19番・下田のパスに10番・鈴木翔が合わせて北教大が3-0と大きくリードを広げる。昨年大会ではベスト8に進出をはたした東海学園大。11番・榎本大輝、30番・児玉駿斗(ともに名古屋内定)、4番・鹿山拓真(長崎内定)といったJ内定選手3名を擁して今大会に臨んだが、あっという間に北教大にゴールを許し、前半終了間際の45分に22番・神谷凱士が直接FKを沈めて1点を返すのが精一杯。2点のビハインドを負って後半を迎えることとなった。

 しかし後半に入っても東海学園大のゴールは遠く、スコアは動かない。そのうえ79分には、11番・榎本が負傷退場に。しかし代わりに入った17番・榎本啓吾がゴール前でドリブルを仕掛け、ペナルティーキックを獲得。これを9番・神門滉人が決め、東海学園大が1点を返す。時間は86分、残り時間はあとわずか。だが東海学園大は怒涛の攻撃で北教大陣内に押し込むと、アディショナルタイムの90+1分、17番・榎本のパスに9番・神門が合わせて同点弾。終了間際に東海学園大が3-3と追いつき、試合は延長戦に突入した。

 延長戦では勢いに乗る東海学園大が積極的に攻め、94分に22番・神谷のクロスに24番・西澤利樹が頭で合わせてついに逆転に成功。残り時間を危なげなく守りきった東海学園大が、劇的な展開の末2回戦に進出。北教大は3-0とリードを奪いながらも、3年ぶりの初戦突破とはならなかった。




常葉大学 2(0-1)3 IPU・環太平洋大学


 一昨年はベスト16、昨年はベスト8と着実に成績を上げている常葉大学と、2012年以来初戦突破ができていないIPU・環太平洋大学。対称的なチーム同士の対戦は、しかし環太大の先制で試合が動いた。32分、環太大はポストの跳ね返りを拾った5番・土居晃貴のパスを25番・赤木直人が決め、前半をリードで終える。

 環太大は後半序盤の55分にも10番・中峯正博から8番・田中翔へとつないで追加点を挙げるが、その後は常葉大が優勢に。65分、8番・野中新史のクロスに11番・杉本マテウスが右足で合わせて1点を返すと勢いを増し、82分にはヘディングシュートのこぼれ珠を22番・松田嵐太が頭で押し込み同点に追いつく。試合の流れは完全に常葉大。しかし環太大は最後まで諦めず、アディショナルタイムに突入した90+2分には、ロングパスに反応した25番・赤木が左足を振り抜き追加点。スコアを2-3とし、再び常葉大を引き離した。

 結局このゴールが決勝点となり環太大が6年ぶりに初戦を突破。2回戦に勝利し、初のベスト8入りを狙う。




鹿屋体育大学 3(3-0)0 阪南大学



 総理大臣杯優勝経験もある関西の雄・阪南大学がまさか初戦敗退。九州第3代表の鹿屋体育大学が、昨年出場できなかった悔しさを晴らすかのような鮮やかな攻撃で阪南大を下した。

 試合は立ち上がりから鹿屋大が攻勢に出る展開に。まずは11分、鹿屋大は右サイドバックの2番・綿引康の突破に14番・岡田浩平が合わせて先制点を奪取。その後も14番・岡田を中心に攻め続けて阪南大を圧倒する。35分には、その14番・岡田がドリブルで抜け出し、シュート。追加点を挙げると、前半終了間際の45分には、10番・樋口雄太からのパスを受けた16番・渡邊宥也が3点目をマーク。3-0と大きくリードを広げて前半を終えた。

 3点のビハインドを負った阪南大は後半に入り反撃に出るが、9番・草野侑己のシュートが枠をとらえきれず、ゴールネットを揺らすことができない。59分には、一気に3人を交代。6番・吹ヶ徳喜、10番・濱野雄太、13番・浅野直希をピッチに送り出しさらに攻勢を強めるが、決定機を決めきれず逆に鹿屋大にカウンターを仕掛けられることも。

 結局後半は両チーム得点が動かず、3-0のままタイムアップ。鹿屋体大が2回戦進出となった。ここ数年、初戦突破は確実に果たしているものの2回戦が壁となっているだけに、次戦が勝負どころになることは間違いないだろう。




日本文理大学 4(2-1)1 松本大学



 本大会初出場の北信越第2代表の松本大と、2年ぶり4回目出場の九州第2代表・日本文理大。フレッシュなチーム同士の対戦ではあったが、終わってみれば“経験”の差が大きく出る結果となった。

 立ち上がりから積極的な攻撃を見せた両チームだったが、先に動いたのは日本文理大。6分、右サイド29番・田中真輝からのクロスに7番・舛田勇士郎が左足を振り抜いて先制点を挙げる。しかし松本大もすぐに立て直し、14分には9番・小澤拓真がペナルティエリア外からシュートを突き刺し、同点に追いつく。その後は両チーム一進一退の攻防を繰り広げるが、試合の流れはやや日本文理大に。すると45分、8番・山田大地の左からのクロスに、10番・是枝真伍が体ごと頭から飛び込んでゴール。日本文理大が2-1とリードして前半を終えた。

 追いつきたい松本大も後半反撃に出るが、日本文理大は66分に9番・東海林佑飛、14番・濵上征也とつないで3点目をマークし、松本大を引き離す。さらに試合終了間際の90分には、9番・東海林がダメ押しの4点目を決め勝負あり。一時は同点に追いつかれたものの、焦らず攻撃を続けた日本文理大が勝利を収めた。





 1回戦の結果、北海道、北信越、四国の各地域代表が敗退。九州は代表3大学がすべて2回戦進出をはたした。

 2回戦からは昨年度優勝校の法政大学をはじめ、関東・関西のシード校が登場。さらなる熱い戦いが期待される。

 2回戦は9月3日(月)に開催。ヤンマースタジアム長居では、専修大学対桃山学院大学、法政大学対中京大学が対戦。J-GREEN堺メインスタジアムで大阪体育大学対福岡大学、仙台大学対駒澤大学、万博記念競技場ではIPU・環太平洋大学対明治大学、明治学院大学対東海学園大学が対戦。ヤンマーフィールド長居では早稲田大学対鹿屋体育大学、日本文理大学対大阪学院大学が戦う。

 キックオフ時間はすべて第1試合が15:30で、第2試合が18:00。夏の大学王者を目指し、16大学が激突する!

【試合結果詳細】
  http://www.jufa.jp/news/news.php?kn=832

【フォトレポート】
  ○新潟医療福祉大 対 中京大学

  ○専修大 対 高松大

  ○鹿屋体育大 対 阪南大

  ○日本文理大 対 松本大