JUFA 全日本大学サッカー連盟

デンソーカップ
『第31回デンソーカップチャレンジサッカー 刈谷大会』決勝・順位決定戦マッチレポート
2017/02/20
 2月19日(日)、『第31回デンソーカップチャレンジサッカー 刈谷大会』(デンチャレ)第3日目が行われた。


○ウェーブスタジアム刈谷にて行われた、全日本大学選抜対関東選抜Aの決勝戦。

 試合の序盤に主導権を握ったのは全日本選抜だった。開始からわずか2分でファーストシュートを打ち、関東選抜Aのゴールを脅かす。その勢いのまま、全日本選抜が先制点を挙げる。16分、4番・柴戸海からのロングフィードに9番・ジャーメイン良が裏へと抜け出す。ドリブルでゴール前へ運び、関東選抜AのGK12番・長谷川洸との1対1もかわすと、最後は落ち着いてゴールへとボールを流し込んだ。追いつきたい関東選抜Aも、徐々に攻撃のペースを引き寄せる。ペナルティーエリアからわずかに離れたゴール左前でフリーキックを獲得すると、10番・西澤健太は角度がない位置から直接ゴールを狙う。ボールはわずかに枠を捉えることができなかったが、これを機に関東選抜Aが攻勢を強める。そして28分、コーナーキックから混戦になったところ、9番・ディサロ燦シルヴァーノが倒れ込みながら13番・土居柊太へパスを送る。そのボールを13番・土居が右足で流し込み、関東選抜Aが同点に追いついた。
 1-1の同点で折り返した後半は、関東選抜Aがピッチ上で自在にボールを動かしゲームを支配する。負けられない全日本選抜は59分、16番・旗手怜央、17番・三笘薫とフレッシュな前線の選手を投入、勝ち越し弾を狙う。攻勢を強め、幾度となくチャンスを演出する全日本選抜だったが、関東選抜Aは3番・鳥海晃司、4番・坂圭祐、18番・眞鍋旭輝の3バックによる固い守備と12番・長谷川の正確なコーチングによりゴールを許さない。1-1のまま後半もアディショナルタイムに突入。延長戦を行わない規定により、このままPK戦に突入するかと思われたが、90+3分に関東選抜Aがコーナーキックを獲得する。10番・西澤がキッカーを務めると、ボールはきれいな弧を描き、走り込んできた19番・鈴木国友が頭で合わせ豪快にゴールネットを揺らした。
 試合はそのまま終了し1-2で関東選抜Aが逆転勝利を収め、10年ぶりの優勝を果たした。一方の全日本選抜は、惜しくも準優勝という結果となった。


○ウェーブスタジアム刈谷にて行われた関東選抜B・北信越選抜対関西選抜の3・4位決定戦。

 昨日、全日本選抜チームに10失点を喫した関東B・北信越選抜と昨年優勝チームの関西選抜の戦い。スコアが動いたのは前半15分。関東B・北信越選抜20番・早坂翔のボールは関西選抜DFがクリアするも、そのこぼれ球を拾った16番・戸嶋祥郎が素早くシュートを放ち、関東B・北信越選抜が先制点を挙げる。その後、関西選抜は決定機を掴むことができないまま、1-0で関東B・北信越選抜リードのまま前半が終了。
 1点のビハインドを負う関西選抜は17番・橋本侑紀に代えて3番・菊池流帆を投入、最終ラインからチームを盛り上げ、巻き返しを図る。すると53分、関西選抜が右サイドを崩し、13番・草野侑己からワンタッチのパスを受けた19番・和田健太郎がゴールを決め、同点に追いつく。さらに、それからわずか3分後の56分、関西選抜は右サイドの深い位置でフリーキックを獲得。20番・山本悠樹がキッカーを務めると、そのキックに走り込んできた5番・大野佑哉が頭で合わせて豪快にゴールネットを揺らし、逆転に成功した。
 そのまま1-2で試合は終了し、1点差で逃げ切った関西選抜は3位に入賞。関東B・北信越選抜は4位という結果に終わった。


○グリーングラウンド刈谷(人工芝)にて行われた、九州選抜対中国・四国選抜の5・6位決定戦。

 前回大会の第1回戦と同じカードとなった一戦。前回の対戦でスコアレスドローからPK戦までもつれ込んだものの、僅差で負けた中国・四国選抜はリベンジに燃える。 前半7分、早くも試合が動いた。中国・四国選抜は、7番・山﨑一帆が裏に抜け出すと、ドリブルでボールを運び左足でシュート。7番・山﨑の2試合連続ゴールで中国・四国選抜が先制する。しかし17分、九州選抜も20番・儀保幸英が右足でミドルシュートを放ち同点に追いつき試合は振り出しに戻る。その後、九州選抜は22番・赤木翼を筆頭に、縦への動きを意識したサッカーでゴールを狙い続けるが決定機を決めきることができず、1-1で前半は終了。
 九州選抜はハーフタイムにGK1番・加藤大喜に代え12番・末次敦貴を、20番・儀保幸英に代え18案・今村一希を投入。すると、その18番・今村が起点となり16番・樋口雄太にパスを送ると、そのままゴールに流し込み、九州選抜が逆転に成功する。続く68分には九州選抜13番・福森勇太が左サイドからゴール前へボールを運び、最後はループシュートを決め、九州選抜に追加点。中国・四国選抜との差を3-1と広げる。しかし、そのわずか1分後の69分。中国・四国選抜11番・梶山勝矢が3試合連続となるゴールを叩き込み、3-2と中国・四国選抜が1点差に迫る。最後まで攻めあう展開が続くものの、両チーム共に決定機が決まらず3-2のスコアのまま試合終了し、九州選抜が逃げ切った
点の取り合いとなった一戦を制した九州選抜は第5位に。敗れた中国・四国選抜は第6位と、前回大会の第8位から順位を上げた。


○グリーングラウンド刈谷(天然芝)にて行われた、北海道・東北選抜対東海選抜の7・8位決定戦。

 試合は、開始から東海選抜ペースで試合が進んだ。何度もチャンスをつくった東海選抜だが、なかなか得点を挙げることはできない。しかし、このまま無得点で前半を終えるかと思われた44分、左サイドから東海選抜の2番・本多琢人が中央の19番・内海徹也へパスを入れると、これをワンタッチで7番・渡邉柊斗に繋ぎ、そのまま7番・渡邉が右足でゴール。東海選抜が今大会初得点を決め、1点リードで前半を折り返す。
 後半は両者互角の戦いを見せるが、その均衡を破ったのは再び東海選抜だった。80分、左サイドで17番・榎本大輝からパスを受けた19番・内海が右足で追加点。東海選抜がリードを2点に広げる。このままでは終われない北海道・東北選抜は83分、左コーナーキックのチャンスを得ると、途中交代で入った11番・宮澤弘が中央へと浮き球のパス。このボールを4番・遠藤祐馬がヘディングでゴールを決める。1点差に迫った北海道・東北選抜だったがさらなる追加点は生まれず、試合はそのまま1-2で試合終了。
 今大会ここまで無得点の地元開催・東海選抜だったが、この試合は2ゴールで勝利を収め最終結果は7位。一方敗れた北海道・東北選抜は、3試合中2試合までをPK戦まで戦う粘り強さを見せてきたが、最終的に最下位の8位という悔しい結果で今大会を終えることになった。



 大会3日間を終えた最終結果は、優勝:関東選抜A、準優勝:全日本選抜、第3位:関西選抜、第4位:関東B・北信越選抜、第5位:九州選抜、第6位:中国・四国選抜、第7位:東海選抜、第8位:北海道・東北選抜となった。そして、最優秀選手にはMF守田英正(関東選抜A 流通経済大学 3年)が、刈谷市長賞には鈴木準弥(全日本選抜 早稲田大学 3年)が選出された。
 後半アディショナルタイムの逆転弾という劇的な展開で優勝を掴んだ関東選抜A。各地域を代表し集まった優秀な選手たちが、技と力を競いながらチームとして共に日本一を目指す戦いが、3日間の熱戦の末、幕を閉じた。