JUFA 全日本大学サッカー連盟

インカレ
『MCCスポーツpresents 2023年度 第72回 全日本大学サッカー選手権大会』準決勝・マッチレポート
2023/12/23


 『MCCスポーツpresents 2023年度 第72回全日本大学サッカー選手権大会』は12月21日(木)に準決勝2試合を行い、決勝進出を懸けて4チームが熱戦を繰り広げた。


準決勝 全結果・トーナメント表








筑波大学(関東第1代表) 0(0-0)1 明治大学(関東第3代表)



 実力伯仲、ライバルチーム同士の関東勢対決。リーグ戦での対戦成績は1勝1分と関東王者・筑波大が優勢ながらも、得点はすべてペナルティーキックと、どちらも崩し切ってネットを揺らしたわけではない。明大・栗田大輔監督が「大学サッカー最高峰のゲームにしたい。相手も関東トップのプライドがあるだろうし、1点勝負になるだろうという予感はあった」といえば、筑波大の小井土正亮監督も「インカレでの明大さんの戦い方はみてきていて、前からプレッシャーをかけて切り替えて早く攻めるというやり方を徹底している」と応える。ともに相手をよく知るチーム同士とあって、難しい一戦になることが予想された。

 試合は立ち上がり、明大がアグレッシブに攻撃を仕掛ける。8番・熊取谷一星、10番・中村らがサイドから筑波大ディフェンスを揺さぶるがシュートまで持ち込めず、次第に主導権は筑波大の手に。筑波大は主将の7番・山内翔が豊富な運動量と的確な判断力で中盤を支配。好配給でチャンスを演出するがこちらも決めきれないまま0-0で試合を折り返した。

 ハーフタイム、明大は栗田大輔監督から「うちは別に守備のチームじゃない。ボールを握って攻撃をすることにサッカーの喜びがあるのではないか」と檄を飛ばされて奮起。後半の頭から7番・田中克幸を投入し「ゲームを落ち着かせようとした」(明大・栗田監督)との意図も奏効し、筑波大の隙をついて決定機を作る。58分、明大はGK・1番・上林豪のロングキックからボールをつなぐと、田中が右サイドバックの12番・内田陽介めがけてロングパスを入れる。内田が逆サイドに入れたクロスを、11番・太田龍之介、熊取谷とつなぎ、17番・常盤亨太が横パスを出したとこに中村が走り込む。「ファーストタッチが内側にうまく決まったので(利き足ではない)左足だけど思い切り打った」という中村の豪快なシュートがネットに突き刺さり、明大がついに均衡を破る。ビハインドを負った筑波大は68分に2番・沖田空、24番・内野航太郎をピッチに送り出し、その前に投入されていた14番・田村蒼生とともに明大ゴールを狙うが、どうしても決めきることができない。厳しいプレッシングとボールの主導権を巡る両チームの戦いが繰り広げられるも、どちらも再びゴールネットを揺らすことなく試合終了。明大が“3度目の正直"で筑波大を下し、3大会ぶりの決勝進出を決めた。





流通経済大学(関東第5代表) 2(3PK4)2 京都産業大学(関西第1代表)



 3度目の優勝を狙う流通経済大学と、関東3校が残ったベスト4の中で唯一残った関西チャンピオン・京都産業大学の試合は両チーム最後まで一歩も引かない接戦となった。先手を取ったのは京産大。33分、流経大のGK、1番・デューフエマニエル凛太朗のキックのこぼれ球を拾った20番・伊藤翼が押し込んで京産大が先制する。「流経大はGKがボールを持ったら蹴ってくるのがわかっていたので、セカンドかこぼれ球を狙って」(伊藤)前線に上がっていたボランチのルーキーが、10番・食野壮磨に当たってこぼれたボールをキープ。GKをかわしてゴールに流し込む。だがその3分後の36分、今度は流経大が反撃。最終ラインからのロングキックがワンバウンドして前線に通ると、流経大の11番・松永颯汰が抜け出す。DFふたりをふりきってゴール右隅にシュートを決めて試合を降り出しに戻した。

 1-1で迎えた後半は、ともに攻守の切り替えを速くしてゴールを狙うがどうしても決めきることができない。だが65分、京産大は流経大陣地に攻め込むと相手のクリアボールを拾った6番・川上陽星が食野へパス。食野が素早く出したマイナスのパスを受けたのは7番・7 福井和樹。ペナルティーエリアすぐ外から放ったミドルシュートは、鮮やかな孤を描いて流経大ゴールに突き刺さる。ビハインドを負った流経大は31番・川畑優翔、24番・鈴木雄大らをピッチに投入。すると81分、流経大は鈴木が右サイドを突破してミドルシュートを放つ。これは京産大GKに弾かれるものの、こぼれ球を松永がキープ。鮮やかな切り返しでDFをかわすと、右足を振り抜いてシュートを突き刺す。松永のこの試合2点目となるゴールで流経大が再度追いつき、2-2のまま90分が終了。試合は延長戦に突入した。

 延長戦では京産大が何度かチャンスを作るものの流経大が粘り強い守備でこれを防ぎ、結局両チーム追加点のないまま前後半が経過。勝敗はPK戦に委ねられた。PK戦では流経大GKデューフ、京産大GK、1番・山本透衣がともに1番手キッカーのシュートを止める活躍を見せたが、どちらも2人目以降のキッカーは成功させて4人目までが終了。京産大の5人目のキッカーはキャプテンの食野。食野がきっちりとシュートを沈めたのに対し、流経大の5人目、15番・光廣健利のシュートは枠外へ。この瞬間、京産大の初のインカレ決勝進出が決まった。







 準決勝の結果、『MCCスポーツpresents 2023年度 第72回全日本大学サッカー選手権大会』の決勝に進出するのは明治大学と京都産業大学に決定した。明大が勝てば3大会ぶり4回目の優勝。一方、京都産業大学が勝てば初優勝、関西勢としては2015年の第64回大会の関西学院大学以来7大会ぶりの優勝となる。どちらも夏の総理大臣杯の出場を逃しているだけに、今季初の顔合わせ。はたして大学日本一の栄冠に輝くのどちらのチームか。決勝戦は12月24日(日)、12:00から茨城県立カシマサッカースタジアムで行われる。