JUFA 全日本大学サッカー連盟

インカレ
『MCCスポーツpresents 2023年度 第72回 全日本大学サッカー選手権大会』決勝・マッチレポート
2024/01/15


 『MCCスポーツpresents 2023年度 第72回 全日本大学サッカー選手権大会』は、2023年12月24日にカシマスタジアムで決勝を迎えた。3大会ぶり4度目の優勝を目指す明治大学と初優勝を目指す京都産業大学が激突。大学サッカー日本一を決めるこの大会で優勝を摑み取るのははたしてどちら大かーー。


決勝 全結果・トーナメント表








明治大学(関東地区第3代表) 2(0-0)0 京都産業大学(関西地区第1代表)



 試合は、キックオフから互いに一歩も譲らない攻防戦が繰り広げられた。細かなパスワークで主導権を握ろうとする明大に対して、京産大も前にボールを運ぶ攻撃的なサッカーを展開。京産大は36分、7番・福井和樹が右サイドから駆け上がってきた2番・西矢慎平へとパス。これは明大の選手に弾かれるものの、京産大は大9番・菅野翔斗がすかさずこぼれ球を拾って前線へ。菅野はそのままペナルティーエリア周辺で大きく右足を振り抜いてシュートを放つが、ボールは枠を外れて得点には至らない。京産大は続く38分にも大、10番・食野壮磨が11番・夏川大和の落としたボールをゴールエリア内の9番・菅野へ。ボールは菅野の足元に収まりそのままシュートモーションに入るが、明大も5番・阿部稜汰のプレスとGKの1番・上林豪の対応によって阻まれる。立ち上がりは京産大の勢いに押されていた明大も徐々にペースをつかみ、42分には15番・木内達也が、前に抜け出した12番・内田陽介に浮き球のボールを配給するがこれはオフサイドに。両チーム、攻めては守る展開を繰り返すがスコアは動かず、0-0で試合を折り返した。



 スコアの動きがなかった前半とは一転、後半は開始早々から動いた。47分、中盤での空中戦から明大の8番・熊取谷一星がこぼれ球を拾い足元に収める。熊取谷が裏へと抜け出した10番・中村草太へと強いパスを入れると、中村は切り返しで京産大の選手をかわしてゴールネットを揺らす。「前半から背後への抜け出しというのは意識していたが、熊(取谷)ならあのコースにパスがくると思っていたので」(中村)。関東リーグ得点・アシスト王の中村が、同級生・熊取谷と息の合ったプレーでチャンスを決めて明大が先制する。大明大は続く52分にも、熊取谷がディフェンスライン付近でボールを奪取。熊取谷からボールを受けた中村が左サイドをドリブルで一気に駆け上がると、ペナルティーエリア付近でフリーの7番・田中克幸へとパスを送る。「克さん(田中)は、あそこが一番得意な場所。ふだん、あの位置でシュート練習をしているのもみているし、克さんならやってくれるだろうと思っていた」(中村)。田中は京産大の選手大を左足のタッチでかわすと、ペナルティーエリアすぐ外から左足のミドルシュートを放ち追加点を挙げて2-0とリードを広げる。京産大は59分、66分、70分に、それぞれ8番・中野歩、29番・末谷誓悟、15番・石原央羅を投入して流れを変えようとするが、明大の力強い攻撃と素早いプレスの前になかなかチャンスを作ることができない。試合時間は90分を過ぎ、アディショナルタイムは6分。最後の最後まで目の離せない展開が続いたが、明大が2点を守り切り2-0で試合終了。明大が優勝を決め、大学日本一の称号を手にした。



 明大は2019年以来となる3大会ぶり4度目の優勝。明大の栗田大輔監督は「今の4年生はコロナ禍以降に大学に入ってきた選手で、全国大会の優勝を知らない世代。だからこそ、この決勝の舞台をどうしても経験させたかった」とコメント。観客席には、9月にヴェルダー・ブレーメン(ドイツ)に移籍した佐藤恵允の姿も見られたが「最初は彼がドイツに行くことに対して動揺もあったと思うが、世界のトップリーグのひとつに自分たちの仲間に行くというスケールの大きさ、自分たちもやれば世界に届くというふうにチーム全体がなってくれると選手たちを信じていた」と、エースの“移籍"を、逆にチームの起爆剤にしたとも。前半は「相手をリスペクトしすぎてボールが前にいかない、背後を狙えないという状況になっていた」が、ハーフタイムの指示で後半は本来の明大のサッカーを取り戻した。「後半は攻撃のギアが上がり、本当に明大らいいサッカーがみられてよかった」(同監督)。



 一方、京産大は悲願の初優勝を果たせなかったものの、数
多くの名⾨・強豪大学を破り全国大会の決勝に初進出。大就任1年目で関西リーグ優勝、インカレ準優勝と素晴らしい成績を残した吉川拓也監督は「選手たちの成長のスピードに驚かされた。1つの試合を勝つごとに、結果を出すごとにここまで大きく成長するのだということを、この1年間で学ばせてもらった」とコメント。ただ「今シーズン最後の試合、特に後半は内容的に自分たちのサッカーを表現できなかった、表現させてあげられなかったことの悔しさはある」とし、「来年以降、もしかしたらもっと悔しい思いをするかもしれないが、そうした感情をチームや選手の成長につなげていきたい」と語った。

 明大の優勝で幕を閉じた『MCCスポーツpresents 2023年度 第72回 全日本大学サッカー選手権大会』。この大会を最後に、最終学年の選手たちは次なるステップへと進む。プロとしてサッカーを続ける選手、また競技サッカーには別れを告げる選手、立場は違えど、本大会の決勝にふさわしい活躍を見せてくれた選手たちに拍手を送りたい。