JUFA 全日本大学サッカー連盟

全日本大学選抜
【第29回ユニバーシアード競技大会(2017/台北) 第1戦(vsマレーシア)マッチレポート(監督・選手コメント)】
2017/08/20
 2011年に行われた深セン大会以来、2大会連続で銅メダルに甘んじているユニバーシアード日本代表。3大会ぶりの金メダルを目指す日本の初戦の相手はマレーシア。本大会ではたびたび対戦している相手だ。決して強い相手というわけではないが、五輪出場を目指して若年層の強化を進めているだけに、油断はできない。
 また宮崎純一監督が懸念していたように、初戦ならではの難しさもある。2011年の深セン大会では終了間際に追いつかれて引き分けに、前回の光州大会では逆転勝利したものの先制点を奪われた。中1日で6連戦というタイトなスケジュールを戦う大会だけに、初戦の結果がその後に大きく影響することも少なくない。

 そんな難しさのある初戦は、立ち上がりから日本が主導権を握る展開に。しかし、マレーシアを圧倒しながらなかなか点を取ることができない。4分には松田天馬がシュート、15分には岩武克弥のパスに重廣卓也がゴール前に抜け出すも、これはオフサイド。28分、松田の抜け出したところを倒され、フリーキックを獲得。宮大樹が頭で合わせるが、シュートは枠外に。たびたびチャンスを作りながらも、ゴールネットを揺らせない状況に、嫌な雰囲気が漂い始めた。

 そんな状況を打破したのが、35分の先制点だった。日本はディフェンスラインの宮、鈴木順弥から組み立てたボールを、守田英正がつないで戸嶋祥郎へ。ドリブルで切り崩した戸嶋からのパスを中野誠也が受けると、GKとの1対1を制してシュートを放つ。決定的かと思われたシュートは、しかし「当たりすぎていた」との本人の感覚どおり、クロスバーを叩いてしまう。しかし、その跳ね返りに詰めていたのが、この試合のスタメンの中で唯一2年生の旗手怜央。「うまくボールが転がってきて、あとはもう決めるだけだった」というボールを思い切り蹴り込む。

 待望の先制点を得た日本は、松田が左サイドから攻撃を仕掛けてファーサイトの戸嶋にクロスをあげるが、戸嶋のヘディングシュートはGKに弾かれてしまう。しかしそのプレーで日本はコーナーキックを獲得。小池裕太のキックを戸嶋がつなぐと、ゴール前で巧みにボールをコントロールした旗手が、「ゴールを見る時間がなかったので、そのまま反転した」と右足を振り抜いてシュートを突き刺す。旗手の、この試合2点目となるゴールで追加点をあげた日本は、2-0でリードし前半を終了する。

 後半は、マレーシアも素早いボール奪取からカウンターを仕掛けるなどのピンチも。しかし、「背後に蹴られたときにバウンドさせないということを意識してケアするように伝えた」(主将・重廣卓也)といGK小島亨介を中心としたディフェンスラインが冷静に対応。これまで失点が多く、特にカウンターとセットプレーが課題とされてきたチームが、本番で大きな成長を見せた。

 後半も残り半分となると、日本は確実な"試合じまい"に切り替える。ボランチを守田英正に代えて柴戸海、サイドバックを岩武に代えて坂圭祐を投入するなど、守りを強めた選手交代でマレーシアの攻撃を完全に封じ込める。最後まで追加点を狙う日本は、コーナーキックから中野がオーバーヘッドを放って観客を沸かし、また重廣がゴール前に抜け出すなど惜しいシーンもあったがゴールには結びつかず。結局、前半にあげた旗手の2ゴールを守りきった日本が、2-0で勝利した。

 日本は21日の17時30分キックオフ(現地時間)で、グループリーグの第2戦、カナダと対戦する。

【監督、選手コメント】

■宮崎純一監督

 6試合あるうちの1試合ですが、初戦ということでいちばん緊張やプレッシャーがあり、かつ勝つという成果を求められる試合でした。意図した内容としては、相手のマレーシアのプレーが非常に粗い、けれどスピードがあり、思いもよらないところでシュートを打つなどの予想外のプレーをする可能性があるということで、まずはきちんと点をとって差をつけ、相手には点を取られないこと。そういうベースをきちんとしようということでゲームに入りました。
 そういう意味で、中野誠也は得点こそできなかったものの、ゴールにつながるシュートや抜け出しといった彼の持ち味を出してくれました。攻撃の部分で、中野、旗手怜央は及第点の活躍をしてくれたと思っています。もちろん、中野のゴールが決まってくれればもっとよかったと思いますが。
 ディフェンスの部分では、鈴木準弥はいつもどおり安定していましたが、予想以上のプレーを見せてくれたのが宮大樹。声で指示はもちろん、ボールの配給も的確で、90分を通して非常にいいパフォーマンスを見せてくれました。守備の部分と、守備からの組み立てという意味で、成長した宮のプレーが見られたことは、ひとつの大きな収穫だと思っています。
 細かいところでの修正はいろいろありますが、固くなりがちな初戦としてはトータルとしていいスタートが切れました。何より勝って終われたことはよかったと思います。
 初戦は次のカナダ戦のことも考えてメンバーを決めました。そうしたことも含め、カナダ戦ではある程度高さに対応できる選手、大柄な選手に対して細かい組み立てができる選手を配して試合に臨むつもりでいます。

■旗手怜央(順天堂大・2年・FW)

 先制点はうまくボールが転がってきて、あとはもう決めるだけでした。2点目については、横に味方の選手がいたのですが、それでも自分が決めようと思っていて。ゴールを見る時間がなく、そのまま反転して打ったのですが、いいところに入ってよかった。
 ずっと点を決められなくて、悔しいというより焦っている部分はありました。でもここにきたらFWとして点を決めるのが仕事なので。絶対に決めてやろうという思いでやっていたのが、形として出たのがよかったです。
 とりあえず試合に出たら、絶対にゴールを決めたい。高望みはしませんが、まず1点決めることを大切にゴールを決めたいと思います。

■重廣卓也(阪南大・4年・MF)

 初戦ということで肩に力が入るかと思っていたのですが、案外みんなリラックスして入れました。大事な初戦を無失点で終われたことは、次につながると思います。このチームはこれまで失点が課題といわれてきました。攻撃ができる分、そのあとのカウンターでやられていたのですが、ディフェンス陣が話し合って、しっかりカウンターをさせないような声掛けをしたり、球際の強さを意識して磨いてきました。今日もGKを中心に、よく我慢してくれたかと思います。何回かカウンターはありましたが、背後に蹴られたときにバウンドさせないということを意識してケアするように伝えました。この大会は攻めることが多くなると思うので、リスク管理と個のディフェンスラインをGK中心にやってもらえればと思います。
 攻撃面では、シュート数も多かったと思うし、シュートで終われていたことは評価できると思います。あとは最後のシュートの精度やトラップ、パスといったところを各々突き詰めていかなければ、と思います。


■中野誠也(筑波大・4年・FW)

 今日はチームとして勝てた。難しいゲームになるのはわかっていたので、それを勝てたのがすべてだと思います。もちろん、もっと点を取って勝てたらベストでしたが、最低限の結果は出せたと思います。
 個人的には、もうひとつ合わせたいなという気持ちはあります。自分らしさを出せたかといえば、まだ出せていない。次戦に向けていい準備をするしかないかな、と思います。あとは運がついてくれば、点が取れると思うので、自分で運を引きつけられるようにしたいです。
 (オーバーヘッドについては)相手のDFと競ったあとの可能性は狙っていましたし、結果的にそれがオーバーヘッドになっただけです。ただ、決まった感触はあったんですが、あんなにキレイにバーに弾かれるとは思いませんでした(笑)。
 (先制点につながったシュートについては)ちょっと当たりすぎたかな、という感覚はありましたし、ボールの感覚が自分の中ではまだ完璧とはいえないので。そこから落とし込んでいくのが大事だと思います。

■宮大樹(びわこ成蹊スポーツ大・4年・DF)

 初戦ということと国を背負うという重圧もあって、入りの部分では自分自身もチームとしても緊張していたかと思います。でも、ふだんの試合との違いも含めて楽しめたという感じもありました。
 これまでは自分自身のコンディションがあがっていなかったというのもあるのですが、長くこのチームでやっていくうちに、ひとりひとりの特徴がつかめてきたという感覚がありました。そういった部分も含めて、無失点につながったと思います。
 自分的には「やっといつもどおりのプレーができた」という感じが強いです。所属大学ではうまくいっているのに、全日本(ユニバ代表)では調子が落ちると自分でも思ってしまっていて……。
 自分はプロ(ヴィッセル神戸内定)という次のステップが決まっていますが、海外の選手とやる機会はめったにないので、ユニバーシアードが自分成長していく、いいステップアップの場になればいいと思っています。


■小池裕太(流通経済大・3年・DF)

 相手のレベルはあまり高くなかったのですが、それに日本が合わせないで自分たちのサッカーができたことはよかった。けれど、決めるべきところを決められていれば、もっと楽な展開になったと思います。マレーシアはサイドハーフが絞っていて、大きな展開をすると(スペースに)空きができるので、(松田)天馬くんにタメをつくってもらって、自分がオーバーラップという形ができればいいという話は、試合中にもしていました。
 2点目のコーナーキックについては、正直狙いどおり、という形ではないです(笑)。ただ、サチくん(戸嶋祥郎)がニアで触ってくれたおかげで、いいところにいったと思います。
 ユニバーシアードは、大学サッカーをしていたら誰もが出場したいと思う大会です。自分は最上級生ではない3年生にもかかわらず選ばれたので、先輩のためにも力になれればと思います。

■松田天馬(鹿屋体育大・4年・MF)

 初戦ということもあって固くなっていた部分もありましたが、徐々に固さもとれてチームとして戦えたと思います。個人的には中の選手から「相手はボールウォッチャーになっているから、どんどんサイドから入れて」と言われていたので、サイドからの攻撃を意識していました。自分的にはまだ100%ではないと思っているので、試合を通じてあげられていければいいかな、と思っています。次戦への課題としては、最後のところでタイミングよく抜け出してフィニッシュまでいくということ。それと、もう少し守備の声かけを積極的にできればと思います。


【試合結果詳細】
http://www.jufa.jp/news/news.php?kn=671

【フォトレポート】
https://goo.gl/photos/kTdhtcPxjJPfvWi6A
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