JUFA 全日本大学サッカー連盟

インカレ
『平成30年度 第67回全日本大学サッカー選手権大会』記者会見レポート
2018/12/12

 12月11日、『平成30年度 第67回全日本大学サッカー選手権大会』の開幕に先立ち記者会見が行われました。

 記者会見には、公益財団法人日本サッカー協会 会長・田嶋幸三、一般財団法人全日本大学サッカー連盟副会長・松本健一、一般財団法人全日本大学サッカー連盟技術委員長・中野雄二が登壇し、本大会の見どころなどを紹介しました。
 また出場24大学を代表し、関東第1代表・早稲田大学の相馬勇紀選手、関東第2代表・筑波大学の三笘薫選手、関東第3代表・法政大学の上田綺世選手、総理大臣杯優勝校・関東第5代表・明治大学の岩武克弥選手が登壇し、大会に向けての抱負を語りました。


公益財団法人日本サッカー協会 田嶋幸三 会長


 『2018FIFAワールドカップ ロシア』、そして現在の森保ジャパンにおいても、大学サッカー出身の選手たちの活躍ぶりは目を見張るものがあります。日頃から大学生のレベルアップに努めている監督、コーチ、大学連盟、そして選手の皆さんに改めて感謝いたします。
 最近では100周年を迎える大学やサッカー部、またすでに100周年を超えている大学が多くあると聞いています。日本サッカー協会は2021年に100周年を迎えますが、その歴史と大学サッカーの歴史はほとんど同じ。そのことからもわかるように、我々日本サッカー協会にとって、大学サッカーは大切な存在です。大学サッカーは代表の強化のみならず、将来日本のサッカーを背負う選手たち、そして企業人たちの育成の場でもあると思っています。
 私たちは日本代表が強くなることで、日本の国民に勇気と希望と感動を与えるというビジョンをもっています。大学生選手の皆さんにも、ぜひその気持ちをもっていただき、母校、地元の人々、そして日本中の人たちを感動させるプレーをしてほしいと思います。


一般財団法人全日本大学サッカー連盟 中野雄二 技術委員長


 今大会では新たな試みとして例年2会場で2試合ずつ行われていた準々決勝戦4試合を、4会場で1試合ずつ行うことにしました。そのことで、勝ち進んだチームの移動を、できるだけ少なくして準々決勝に臨めるようにしました。

 左上のブロックの第一シードは早稲田大学です。ここにいる相馬選手を中心とした攻撃力は非常に安定していて、守備のバランスもいい。順当に考えれば、早大が一番の軸となって大会は進むと思われます。ただ同ブロックには順天堂大学、関西大学といった実力のある大学がいるので、準々決勝がひとつの山場になると思います。順大にはU-21代表の旗手怜央選手、名古屋内定の名古新太郎選手といった能力のある選手がいるので、関東リーグの順位(6位)はあまりアテにならないかと思います。

 左下のブロックは法政大学が近年力をつけていて、今年は総理大臣杯関東予選である『「アミノバイタル」カップ』で優勝し、昨年は総理大臣杯優勝、インカレで準優勝と、全国大会では必ず上位に進出しています。2年生ですが非常に得点力のあるU-21代表の上田選手を擁しています。またこのブロックには一昨年の優勝校である関西学院大学もいますので、この2大学が中心となって勝ち上がってくるのではないかと思います。また関東代表で初出場の東洋大学は非常にテクニックのある選手が多く、ダークホース的な存在になる可能性もあるかと思います。

 右上のブロックは今年の総理大臣杯に優勝した明治大学が軸にはなると思いますが、非常に読めないブロックです。強豪ぞろいというか、言葉は悪いかもしれませんが曲者ぞろいで、一筋縄ではいかない大学が集まったという感じがします。大阪体育大学は総理大臣杯の決勝で明大に敗れました。夏のチャンピオンを争った2チームが同じブロックに入っています。また福岡大学は、関東・関西以外の地域の大学の中で力をもっているという意味では、一番手の大学だと思います。そういう意味では、明大にとっては厳しい試合の連続なるのではないかと思います。ただ明大にはJリーグ内定選手5名を擁するなど力のあるチームですから、本来の実力を発揮できれば今大会のチャンピオンになる可能性は高いと思います。

 右下のブロックは筑波大学がいます。リーグ戦後期はチームの立て直しに成功し、三笘選手も活躍をして2位という成績で今大会に出場します。一昨年のインカレ王者でもあり、また昨年の関東リーグのチャンピオンでもあります。優勝経験のある選手がまだ多く残っていますので、筑波大が優勝する可能性も十分あると思います。このブロックにはほかに、鹿屋体育大学や桃山学院大学、仙台大学など、自由にやらせたら非常に力を発揮するような大学が揃っています。なにより、このブロックには大学サッカーの一時代を築いた駒澤大学がいます。駒大はタフで最後まで諦めずに戦えるチーム。ですから駒大も勝ち上がってくるのではと思っています。

 優勝を予想するのが非常に難しく、大会の流れによっては、どの大学にも優勝のチャンスがあるのではないかと思います。ただ関東のチームに対して、関西または地方の強豪がどれだけ戦えるかというのがポイントになると思います。特に準々決勝の4試合が、いろいろな意味で大変なゲームになるのではないかと思っています。

 現在日本代表に選ばれているシュミット・ダニエル選手、伊東純也選手、佐々木翔選手、守田英正選手たちは大学で成長し、プロ選手となり、日本代表となった。大学を経由するということは決して遠回りではないし、大学で成長するということが日本サッカー独特の文化ではないかと思う」と述べ「今大会にも、将来日本代表に選ばれるような"卵"の選手がいるので、ぜひ見に来てほしい」と呼びかけました。



相馬勇紀 (早稲田大学・関東地区第1代表/MF・4年)


 目標はもちろん優勝。日本一の景色しか目指していません。ただ、自分たちは夏の全国大会である総理大臣杯の初戦で敗れています。リーグ戦と違い、一度負ければ終わりという大会なので、一試合一試合、目の前の相手にどうやって勝つかをチーム全員で考え、今年の早稲田大学のよさである"チーム力"を活かして優勝したいと思います。


三笘薫 (筑波大学・関東地区第2代表/MF・3年)


 筑波大学も目標は優勝です。一昨年はこの大会で優勝しましたが、昨年はベスト8止まりで悔しい思いをしました。今季もリーグ戦は前期8位、後期に追い上げましたが2位に終わるなど悔しい結果となりました。だからこそ今季最後の大会であるこの大会で優勝して、有終の美を飾りたいと思います。


上田綺世 (法政大学・関東地区第3代表/FW・2年)


 僕たちは去年、総理大臣杯で優勝して日本一を経験しました。その自信もあって今季はリーグ戦、総理大臣杯、インカレとすべてのタイトルを目標に1年間戦ってきました。しかし総理大臣杯もリーグ戦も思うような結果を出せなかったので、日本一の景色を見るためにはこの大会に勝つしかありません。


岩武克弥
(明治大学・総理大臣杯優勝・関東地区第5代表/DF・4年)


 総理大臣杯では優勝できましたが、その後のリーグ戦では思うような結果を出せず、チームも難しい状況となりました。けれど中断期間にしっかりとチームを立て直すことができたので、今大会では結果を残せるようにがんばりたいと思います。


質疑応答


――所属大学の注目選手は?

相馬 早稲田大学の注目選手は、GKの小島亨介選手です。今年早大はリーグ戦に優勝しましたが、その中には数多くのピンチもあり、彼がいなかったら失点していただろうというシーンもありました。彼のおかげで優勝できたと思っていますし、関東リーグMVPにも選ばれていますので、小島選手のセービングにぜひ注目してほしいと思います。

三笘 筑波大の鈴木徳真選手を挙げさせていただきます。鈴木選手は中盤からの組み立てや豊富な運動量を活かして、チームの中心となる活躍をする選手です。チームの柱として、自分たちを引っ張ってくれる存在です。注目してほしいと思います。

上田 法政大は4年生のディサロ燦シルヴァーノ 選手に注目してほしいと思います。今季はそんなに多くのゴールを挙げていませんが、チームを助けるゴールが多く、僕自身もずいぶん彼に助けられました。彼にとっては4年生最後の大会なので、またチームを助けるゴールを決めてくれると思います。

岩武 明治大では2年生の小柏剛選手に注目してほしいと思います。小柄ではありますが、圧倒的なスピードをもち、スタメンでも、途中出場でも結果を残してくれる選手だと思います。

――ご自身のプレーの特長や注目ポイントなどがあれば教えてください。

相馬 爆発的なスピードに注目してほしいと思います。去年は2部リーグのアシスト王、今年は1部リーグのアシスト王になりましたが、4年生の後期リーグでは得点を重ねることができ、アシストだけではなくゴールを狙えるようにもなりました。爆発的なスピードからのアシストだったり、ゴール前のポジショニングからの得点に注目してほしいと思います。

三笘 個人技とドリブルで(相手を)はがすところを見てほしいと思います。どんな状況でも自分のドリブルで相手を崩したり、チャンスを作り出すことが自分のストロングポイントです。そこから得点、そしてスルーパスも見ていただければと思います。

上田 FWという結果がすべてのポジションでプレーしているので、やはり結果に注目してほしいと思っています。ほかの大学のFWより得点能力があると自身でも思っていますし、そこにこだわってやってきました。常に貪欲にゴールを狙う姿勢や、観ている人を魅了できるプレーができればと思っています。

岩武 明大のサッカーはいい守備からいい攻撃。自分自身も守備の選手なので、自分が目立つというよりは失点ゼロに貢献したいと思っています。