JUFA 全日本大学サッカー連盟

インカレ
『MCCスポーツpresents 2023年度 第72回 全日本大学サッカー選手権大会』3回戦・マッチレポート
2023/12/17


 ついにベスト8が決まった『MCCスポーツpresents 2023年度 第72回全日本大学サッカー選手権大会』。3回戦は12月13日(水)の11:00に4試合が一斉開催された。


3回戦 全結果・トーナメント表








筑波大学(関東第1代表) 2(0-0)0 中京大学(東海第1代表)


 関東王者と東海王者の直接対決。試合は筑波大が主導権を握りながらも攻めあぐねる展開に。対する中京大も決め手に欠き、前半はスコアレスで終了する。流れを手繰り寄せたい中京大は、後半の頭から11番・有働夢叶を投入。しかし、先にスコアを動かしたのは筑波大だった。58分、筑波大は最終ラインからゆっくりとボールを動かすと、7番・山内翔のパスに14番・田村蒼生が反応。ペナルティーエリア左から上げたクロスは中京大DFがクリアするものの、跳ね返りを24番・内野航太郎が体ごと押し込んで先制点を挙げる。その後、筑波大は攻撃のギアを上げて中京大ゴールに襲いかかるが、中京大もゴールを死守し1-0のまま試合は終盤へ。するとアディショナルタイムに突入した90+2分、筑波大は中京大のクリアボールを拾うと2番・沖田空がロングボールをゴール前に入れる。これを6番・瀬良俊太がダイビングヘッドで合わせて追加点。決定的な2点目を挙げた筑波大が2-0で完勝。関東王者の実力を見せつけて準決勝へと駒を進めた。



明治大学(関東第3代表) 2(1-0)0 仙台大学(東北第1代表)



 昨年、同カードで敗れて初戦敗退となった明大にとってはリベンジの一戦。仙台大は2014年大会でも敗れている、いわば"因縁のチーム"。「苦手意識というのはないが、昨年はあの延長後半のアディショナルタイム、コーナーキックからの失点で林(幸多郎・現横浜FC)たちの大学サッカーが終わってしまった。今シーズンはあそこから始まっているので、今日勝ってきちんとケリをつけないと思っていた」(明大・栗田大輔監督)。そうした事情もあってか、立ち上がりは明大も「アラートにというか、より慎重に」入る形となったが、そんな状況を打ち破ったのが22分のゴールだった。明大は17番・常盤亨太がフリーキックからの跳ね返りを中盤で奪取。そのまま前線にもちあがるとペナルティーエリア手前でシュートを放つ。これを11番・太田龍之介が頭で反らしコースを変えてネットを揺らす。対する仙台大は開始10分で、DFの5番・寺田一貴が負傷交代するアクシデントに見舞われ、チャンスらしいチャンスを作れないまま前半を終えた。後半も前半同様に明大が主導権を握る展開となったが、どうしてもゴールを決めきれない。すると67分、明大は10番・中村草太を投入して攻撃のギアを上げる。84分には、その中村が左サイドから突破を図り、一気にペナルティーエリアへ。シュート体勢に入る前に相手GKに止められるものの、こぼれたボールを5番・阿部稜汰が押し込んで追加点。明大が2-0とリードを広げた。しかし、その後は仙台大が猛攻。アディショナルタイムの最後の1秒まで攻め続け、またセットプレーからチャンスを作るなど、昨年を彷彿とさせるシーンもあったが、明大がきっちりと守り切って2-0で試合終了。明大が昨年のリベンジを果たすとともに、2021年以来となる準決勝進出を決めた。





東京国際大学(関東第2代表) 0(0-0)1 流通経済大学(関東第5代表)


 3回戦唯一の"関東対決"となった東京国際大学と流通経済大学の対戦。今季の対戦成績は1勝1分で東国大が負け無し。だが、前半は流経大が試合を圧倒。6番・中島舜を中心に何度となく東国大ゴールに迫るが、決めきれないまま0-0で試合を折り返した。後半は東国大も盛り返してチャンスを作るが、59分、流経大は前線でパスを受けた8番・前田陸王がドリブルで相手をかわしペナルティーエリア内に侵入。ゴール前にパスを入れると、これを9番・宮田和純が収め、落ち着いてゴール右隅に決めて流経大が先制する。その後は東国大も攻撃を仕掛けるが、流経大が粘り強く守り0-1で試合終了。"3度目の正直"で東国大に勝利した流経大が2年ぶりのベスト4進出を決めた。



福岡大学(九州第1代表) 1(0-2)2 京都産業大学(関西第1代表)


 九州王者と関西王者、西の強豪対決。双方慎重な滑り出しとなった試合は福岡大が厳しいプレスで少しずつ京産大を押し込む。だが14分、京産大は10番・食野壮磨のパスを受けた7番・福井和樹が、約30メートルのロングシュートを豪快に決めて先制。京産大は28分にも20番・伊藤翼のロングパスに13番・中田樹音が反応してゴール前へ。中田は相手DFに囲まれると、すかさずマイナスにパス。これを2番・西矢慎平が素早く蹴り込んで追加点。京産大が0-2とリードして前半を終える。だが、後半は京産大にとって"耐える45分"となった。52分、京産大は4番・西村翔のプレーがハンドによる得点機会阻止とジャッジされて退場。さらには福岡大にペナルティーキックを献上することに。だがGKの1番・山本透衣が奮起。福岡大の7番・橋本悠のシュートを左足で弾き出して決定的なピンチを防ぐ。しかしその後は数的優位に立った福岡大が京産大のゴールに迫り続け、数多くのチャンスを作るが10人の京産大がこれを死守。福岡大はアディショナルタイムの90+4分に、ショートコーナーから途中出場の10番・北條真汰が1点を返すが、追加点を奪うことができずタイムアップ。40分近くを10人で戦い、後半はシュート0本と劣勢に立たされながらも前半に挙げたゴールを守りきった京産大が、初のベスト4進出となった。




 3回戦の結果、東北・東海・九州の各代表が敗れ去り、ベスト4残ったのは筑波大学、明治大学、流通経済大学の関東3チームと、関西チャンピオンの京都産業大学。"関東対決"となる筑波大と明治大の試合は、どちらも優勝候補の筆頭に挙げられる実力派同士の対戦となる。リーグ戦での成績では筑波大が1勝1分と有利だが、"3度目の正直"で東京国際大学に勝利した、3回戦の流経大の例もある。実力的にも伯仲しているだけに好ゲームが期待される。準決勝のもう1試合は、流経大と京産大の"東西対決"。流経大は4チームの中で唯一、1回戦から出場。選手の疲労が心配されるが、9番・宮田和純が2試合連続ゴールを挙げるなど絶好調。対する京産大は3回戦でDFの4番・西村翔が退場となり、準決勝には出場できない。しかし、GK1番・山本透衣を中心とした堅固な守りで流経大の攻撃を防ぐ。

 決勝は関東対決となるのか、それとも京産大が関西王者の意地を見せ東西対決とするのか。残るは決勝も含めて3試合となった。ファイナリストを決める準決勝2試合は、12月21日(木)に流通経済大学龍ケ崎フィールドで行われる。