JUFA 全日本大学サッカー連盟

インカレ
『平成30年度 第67回全日本大学サッカー選手権大会』1回戦マッチレポート
2018/12/14


 『平成30年度第67回全日本大学サッカー選手権大会』がついに開幕。1回戦は、12月12日(水)に8試合が行われた。



北海道教育大学岩見沢校 3-1 日本文理大学 @Shonan BMW スタジアム平塚



 全国大会での4年ぶりの勝利を目指す、北海道教育大学岩見沢校(北海道第1代表・5年連続8回目)と、総理大臣杯に続く1回戦突破を狙う日本文理大学(九州第2代表・2年ぶり4回目)の一戦。

 試合前の雨の影響により、前線でのボールの収まりが悪かった両チーム。ともに総理大臣杯に出場していることもあって、試合が経過していくにつれ落ち着いたゲーム展開となった。26分には、北教大の20番・下田友也がシュート。これは文理大のGK、16番・佐伯鷹哉に阻まれるものの、そのこぼれ球に反応した北教大の11番・中本峻平が8番・小笠原光研へとボールを繋ぎ、そのまま右足でゴール。先制に成功した北教大は続く33分、9番・佐賀俊之輔のシュートが弾かれたこぼれ球を、11番・中本が押し込んで追加点。北教大が2-0とリードして前半を終える。
 すると、後半開始直後の46分、文理大にチャンスが訪れる。13番・舛田勇士郎からのクロスを28番・平嶋僚太が頭で合わせゴール。文理大が1点差に詰め寄る。しかし北教大は72分、コーナーキックから24番・小川達也がヘディングシュート。そのこぼれ球を19番・佐藤隼が押し込み、3点目を決めて再び文理台を突き放した。試合はそのまま終了し、北教大はインカレで4年ぶりの勝利を収めるとともに、関東リーグ覇者の早稲田大学が待つ2回戦へと駒を進めた。




順天堂大学 4-0 四国学院大学 @Shonan BMW スタジアム平塚



 29年ぶりの優勝を狙う順天堂大学(関東第6代表・5年連続23回目)と、四国第1代表として勝利を掴みとりたい四国学院大学(2年ぶり2回目9の一戦。

 試合は序盤から順大が主導権を握った。順大は開始早々、ペナルティーエリア手前から11番・旗手怜央がミドルシュートを放つが、これはクロスバーに弾かれる。しかし24分、コーナーキックからの4番・村松航太のヘディングシュートを、12番・大谷京平が拾いコースを変えてシュートを放ち、これが決まって先制点。さらには30分、カウンターから12番・大谷が前線へとボールを運び、3番・三國スティビアエブス、11番・旗手と繋ぐと、ペナルティーエリア内でラストパスを受けた25番・長倉幹樹が、四学大GKとの1対1を冷静に決めて追加点。37分にも、10番・名古新太郎とのコンビネーションから裏に抜け出した3番・三國がシュートを放つ。これは四学大GKに弾かれるも、そのこぼれ球を11番・旗手が落ち着いて流し込んで3点目。3-0と順大が大きくリードし、前半を終了する。
 攻撃を仕掛けたい四学大だが、後半も試合は依然順大ペースで進んだ。80分には、スローインを受けた10番・名古がマイナス気味にパスを出すと、25番・長倉がこれをペナルティーエリア内でうまくコントロール。ゴール右隅にシュートを流し込み、ダメ押しの4点目を挙げる。四学大も8番・杉山佳樹がシュートを放つなど意地を見せるが、90分を通してのシュートはこれ1本と力の差は明らか。終始順大ペースのまま、4-0で試合終了。順大が地力の差を見せつけた。




東海学園大学 1-3 新潟医療福祉大学 @浦安市運動公園陸上競技場



 上位進出を狙う東海リーグの覇者・東海学園大学(東海第1代表・2年ぶり4回目)と、昨年大会の初戦敗退の悔しさを晴らす勝利を目指す北信越地区唯一の出場校、新潟医療福祉大学(2年連続5回目)の一戦。

 東園大は名古屋グランパスへの入団が決まっている11番・榎本大輝や14番・児玉駿斗を中心にボールをつなぎながら、高い攻撃力でゴールを狙う。対する医福大はディフェンスラインの力強い守備から、9番・矢村健と11番・林純平の2トップを活かして勝利を目指した。
 試合はいきなり動いた。開始早々の4分、右サイドから医福大の5番・池田友樹がクロスを上げると、これを9番・矢村が触ってつなぎ、最後は11番・林が押し込んで医福大が先制する。続く12分には、10番・上米良柊人の右コーナーキックから、相手クリアのこぼれ球を3番・鶴田雄佑が右足で押し込み、追加点を挙げる。いきなり2点も先行される形になった東園大だが、その3分後の15分には、ペナルティーエリア内のクリアボールを14番・児玉が奪い、パスを受けた24番・丸山義貴が右足で決め1点差に詰める。しかし、試合序盤から動いた試合は高いテンションのまま進み、43分には医福大の9番・矢村が前線までボールを運びシュートを放つ。さらに相手GKが弾いたこぼれ球を、11番・林が落ち着いて決め、再び医福大がリードを2点差に広げた。
 後半に入ると、東園大は選手交代やポジションチェンジを多用しながら得点を狙うが、医福大も高い集中力と力強い守備でゴールを許さない。医福大はカウンターから多くの決定機を作ったが追加点を挙げられず、試合3-1のまま終了。医福大が待望の全国大会初勝利を収めた。




IPU・環太平洋大学 1-2 東洋大学 @浦安市運動公園陸上競技場



 多数の応援団からの後押しを受けて初戦に臨むIPU・環太平洋大学(中国代表・6年連続6回目)と、今大会が初出場となる東洋大学(関東第7代表)の一戦。

 前半は序盤から東洋大のペース。東洋大は8番・高橋宏季を中心に前線へとボールを供給し、11番・松崎快や10番・坂元達裕が攻撃を仕掛けゴールを狙う。また東洋大の両サイドバックも積極的に攻め上がり、攻撃に厚みをもたせていた。すると26分11番・松崎とのコンビネーションから10番・坂元が相手ディフェンスラインの背後に抜け出し、左足を振り抜く。これがゴールネットに突き刺さり、東洋大が先制する。
 後半に入ると環太大は東洋大陣内でのインターセプトでチャンスを作り、62分に右サイドから8番・田中翔が上げたクロスが東洋大DFにクリアされるも、こぼれ球を9番・滝川皓也が拾いシュート。これが決まり、スコアは1-1に。試合は振り出しに戻った。その後は互いにチャンスを作りながらもゴールを奪えず、このまま延長にもつれ込むかと思われた87分、東洋大は左サイドから5番・渡辺星夢が上げたクロスに16番・荒川勇気が反応。ヘディングシュートで勝ち越し点を決める。これが決勝点となり、試合は2-1で終了。東洋大がインカレ初出場にして初勝利を収めた。




常葉大学 3-4 仙台大学 @柏の葉公園総合競技場



 全国大会の常連校である常葉大学(東海第3代表・2年連続11回目)と東北リーグ覇者・仙台大学(18年連続35回目)の一戦。

 ともに夏の総理大臣杯にも出場した地方の雄同士の対戦は立ち上がりから激しくゴールを狙う展開となった。まずは開始直後の1分、仙台大の11番・斎藤雄大がセンターサークル付近からロングシュートを放つ。これは常葉大のGK、1番・坪歩夢がセーブし、その後は常葉大がボールをキープ。仙台大がカウンターを狙う構図となった。しかし先制点を挙げたのは仙台大だった。16分、右サイドの22番・藤田一途からの縦へのロングボールに反応した11番・斎藤がゴール前クロスを入れる。そのボールに9番・本吉佑多が頭で合わせ、仙台が先制。しかし、その後も常葉大がボールを保持する時間帯が続き、36分には、常葉大の右からのコーナーキックのこぼれ球を、5番・山田温人がシュート。これは相手に阻まれるものの、4番・佐藤友が押し込んで同点弾。スコアを1-1と振り出しに戻した。
 後半に入っても、常葉大がボールをキープし、仙台大がカウンターからチャンスを狙う展開は変わらず79分に仙台大の11番・斎藤が、83分には常葉大の14番・村山健がそれぞれゴールを挙げて2-2-に。試合はそのまま延長戦に突入した。
 延長戦の序盤も拮抗した展開が続いたが、96分にその均衡が破られる。仙台大は4番・石井幹人のコーナーキックから、5番・藤岡優也が押し込んで3度目となる勝ち越し点。さらに103分にも、4番・石井のコーナーキックから、今度は途中出場の15番・大久保淳がヘディングシュートを決めて4-2と突き放す。常葉大も終了間際に5番・山田が1点を返すものの、反撃も届かず。4-3で仙台大がゴールの奪い合いとなった試合を制した。
 仙台大の吉井秀邦監督は「(ゴールを)取って取られてという厳しい戦いになったが、最初から接戦になることは予想していた」という。ただ「1点を取られたあと、バランスを崩してしまったのは課題」と厳しい顔。「途中でディフェンスラインのバックパスが多くなって失点してしまった」が、延長戦ではセンターバックの5番・藤岡が勝ち越し点を挙げ「主将の藤岡が点を取ってくれたのはよかった」とコメント。次戦の対戦相手は、関東第2代表の筑波大学。昨年の関東王者、一昨年のインカレ王者で「大学のトップレベルのチーム。うちとしては挑戦するという気持ちのほうが強い」と吉井監督。しかし「やるからには受け身にならず、勝ちを目指したい」と強い気持ちを見せた。





桃山学院大学 2-0 鹿屋体育大学 @柏の葉公園総合競技場



 関西最後の出場枠に滑りこんだ桃山学院大学(関西第4代表・3年ぶり8回目)と、総理大臣杯では阪南大学、早稲田大学といった東西の強豪を下した鹿屋体育大学(九州第2代表・10年連続22回目)の一戦。
 試合は開始早々、桃山大のコーナーキックからペナルティーエリア内が混戦となり、ボールはゴールの中へ。しかし、相手ゴールキーパーへのファールが認められ桃山大は得点ならず。しかし試合は完全に桃山大が主導権を握る展開となった。30分には右サイドから24番・小松光樹、9番・毎熊晟矢とつなぎ、ゴール前でパスを受けた7番・佐藤碧がワントラップから右足を振り抜いてゴール。桃山大が先制点を挙げる。その後は桃山大が24番・小松、9番・毎熊を中心とした前線からのプレスで圧倒し、鹿体大はゴール前にボールを運ぶことができない。鹿体大はシュート0本で、前半を終えることとなった。
 後半に入ると鹿体大は7番・森川和命に代わり、11番・西村光明を投入。立ち上がりこそ11番・西村を中心に攻撃を仕掛けるが「5人の交代枠があるから、相手は後半頭から変えてくるぞ、と選手たちに伝えていた」(松本直也監督)という桃山大は「予想どおり」という展開に「落ち着いて対応してくれた」(同監督)。すぐにペースを取り戻した桃山大は58分、9番・毎熊のシュートのこぼれ球に11番・印藤虎太郎が反応。右足で押し込み、2-0と鹿体大を突き放した。2点のビハインドを負った鹿体大だったが、23番・仙波柊人、24番・小野屋尚希が連続してシュートを放つなどして反撃を開始。しかしゴールをこじ開けることはできない。結局試合は2-0のまま終了。桃山大が完封勝利を収めた。
 桃山大の松本監督は「集中して、いいコンディションで試合に入れた。ピッチ状態もよく、ボールもよく動いた」と試合を振り返り、「先に点を取れたことで、プラン通りに試合を進められた」と満足げな顔を見せた。夏の全国大会・総理大臣杯では関東代表の専修大学に2-4で敗れた。「前半だけで3失点。ボコボコにやられた」(同監督)という。その反省から後期リーグを通じてチームを建て直し「自信をもってこの大会に来た」。2回戦の対戦相手は関東第4代表の駒澤大学。「今日の相手とも、専修大学ともまったく違う強さのあるチーム」だが「駒大相手にどれだけやれるかが楽しみ」とコメント。「球際で負けることなく、攻撃で優位性をもって臨みたい」と意気込んだ。





静岡産業大学 4-0 松山大学 @熊谷スポーツ文化公園陸上競技場



 2年連続2回戦敗退の壁を超えたい静岡産業大学(東海第2代表・3年連続13回目)と、久しぶりのインカレ登場ながら初戦突破を虎視眈々と狙う松山大学(四国第2代表・15年ぶり9回目)の一戦。

 互いに慎重な入りとなった。シュート数も少なく、落ち着いた滑り出しとなったが、少しずつ攻撃の糸口を掴み始めたのは松山大。7番・谷口想がスピードのあるドリブルで仕掛けるが、静産大も守備陣が集中を切らさず、あと一歩のところでシュートまで届かない。試合が動いたのは前半終了間際の42分。これまでシュート0の静産大が一瞬のチャンスからゴールを狙う。相手のクリアボールを拾った4番・原田大雅が右サイドからパスを送る。これを受けた12番・山本拳士が右足を振り抜き、静産大が先制点を挙げる。
 後半に入ると攻めあぐねる松山大に対し、静産大は勢いのある攻撃で松山大ゴールに襲い掛かる。61分には10番・遠山拓民のフリーキックから、混戦の中でボールを拾った6番・井上諒が押し込んで2点目を獲得。この得点で集中力が切れた松山大に対し、静産大は65分に11番・東山達稀の左からのクロスに10番・遠山がワンタッチで合わせ3点目。さらに77分には、相手DFのクリアボールを拾った10番・遠山が、またもやシュートを蹴り込んでダメ押しの4点目を挙げる。静産大が怒涛のゴールで大差をつけた試合は4-0で終了し、静産大が勝利を収めた。2回戦の対戦相手は、関西王者・大阪体育大学。悲願の2回戦突破となるか。




札幌大学 1-3 福岡大学 @熊谷スポーツ文化公園陸上競技場



 札幌大学(北海道第2代表・2年ぶり42回目)と福岡大学(九州第1代表・2年連続42回目)、ともに42回目の出場を数える強豪同士の南北対戦。

 立ち上がりからアグレッシブな守備を見せた札大は、23分に10番・相田勇樹が警告を受ける結果に。するとその隙を突かれ、30分に福岡大にペナルティーキックを与えてしまう。このチャンスを福大の10番・梅田魁人が冷静にキックを決め、福大が先制。そのまま試合を0-1で折り返す。
 後半、先手を取ったのはまたもや福大だった。52分、22番・河原創のコーナーキックを3番・下堂竜聖が頭でそらし、最後は10番・梅田が押し込んで追加点。リードを2点差に広げた。その後は両者とも主導権を握ることはなく、拮抗した試合が続いていたが、75分に札大の9番・秋元優が相手GKのクリアボールをワンタッチで押し込み、1-2に。1点差に迫った札大だったが、80分、8番・大熊健太のクロスに14番・今田源紀が頭で合わせ、福大が札大を突き放す3点目をマーク。1-3のまま試合は終了。福大が総理大臣杯の覇者・明治大学が待つ2回戦に駒を進めた。




 2回戦は、12月15日(土)に味の素フィールド西が丘スタジアムで早稲田大学と北海道教育大学岩見沢校、順天堂大学と関西大学が、浦安市運動公園陸上競技場にて、法政大学と新潟医療福祉大学、関西学院大学と東洋大学が対戦。また熊谷スポーツ文化公園陸上競技場では大阪体育大学と静岡産業大学、福岡大学と明治大学が、柏の葉公園総合競技場にて、駒澤大学と桃山学院大学、仙台大学と筑波大学の試合が行われる。

 1回戦では、プロ内定者3人が出場した東海学園大学がまさかの初戦敗退。また仙台大学と常葉大学の延長戦までもつれ込み、1回戦屈指の好カードである鹿屋体育大学と桃山学院大学の試合は、2-0で桃山学院大学に軍配が上がるなど、見所の多い熱戦が展開された。2回戦からは関東・関西の上位校であるシードの8チームが登場。関東リーグ覇者の早稲田大学や関西王者の大阪体育大学に、北海道教育大学岩見沢校や静岡産業大学がどれだけ食い下がるか。また、順天堂大学対関西大学、関西学院大学対法政大学、桃山学院大学対駒澤大学といった関東と関西との対決にも注目したい。はたして3回戦に駒を進めるのは、どの大学か。2回戦も目が離せない。