JUFA 全日本大学サッカー連盟

インカレ
『平成30年度 第67回全日本大学サッカー選手権大会』準々決勝戦マッチレポート
2018/12/19


 12月17日(月)に「平成30年度 第67回全日本大学サッカー選手権大会」の準々決勝4試合が行われた。



早稲田大学 1-2 順天堂大学 @味の素フィールド西が丘



 2回戦を辛くも突破し、関東王者としてインカレ制覇に向け波に乗りたい早稲田大学(関東地区第1代表・3年ぶり33回目)と、今季リーグ戦で屈辱の2連敗を喫したライバル・早大相手のリベンジに燃える順天堂大学(関東地区第6代表・5年連続23回目)の一戦。

 準々決勝屈指の好カードは開始早々にスコアが動いた。早大は6分、左サイドで8番・栗島健太のパスを受けた10番・岡田優希がペナルティエリアに切り込み、右足を振り抜く。すると強烈なシュートが低い弾道でゴールへと吸い込まれ、早大が幸先よく先制する。一方の順大も前半終盤に立て続けにチャンスを作り出すが、早大GK 1番・小島亨介の安定したセービングの前に得点を奪うことができない。前半は1-0で早大がリードして折り返した。
 早大は順大のエース、11番・旗手怜央に自由を与えないよう、システムを2回戦の3-4-3から4-1-4-1に変更してこの一戦に臨んでいた。このシステムに苦しめられた順大は、後半に入ると、システムを4-4-2から4-1-4-1に変更。するとこの采配が見事に的中。48分、積極的に攻め上がった右サイドバックの2番・柳澤亘が放った左足シュートは、綺麗な放物線を描いてゴール左上へと吸い込まれた。その後も攻撃の圧をさらに強めていく順大イレブン。60分には、右サイドから3番・三國スティビアエブスが上げたクロスに6番・石上輝がダイビングヘッドで合わせ、ついに逆転に成功する。なんとしても追いつきたい早大はロングボールを多用してゴールを狙うも、決定機を作ることができず、1-2のまま試合終了。「同じ相手に3度負けるわけにはいかない」と意気込んでいた順大が、インカレという晴れ舞台で見事リベンジに成功した。次戦の対戦相手は、同じ関東代表の法政大学。リーグ戦での対戦成績は1勝1敗とイーブンということもあり、次の対戦で決着をつけたい。





関西学院大学 1-3 法政大学 @浦安市運動公園陸上競技場



 2回戦は延長の末に勝利し、その勢いのでベスト4を狙う関西学院大学(関西地区第2代表・2年ぶり21回目)と、初戦は逆転勝利を収め、2年連続の決勝進出を目指す法政大学(関東地区第3代表・3年連続30回目)の東西対決。

 前半は、逆転勝利で東洋大学を下した勢いに乗る関学大がペースを握った。関学大は16番・安羅修雅が立てつづけにシュートを狙うが、法大も体を張った守備でゴールを割らせない。一方の法大は、190cmの長身FW・18番・松澤彰をターゲットにした攻撃を展開。一進一退の攻防戦が繰り広げる中、先制したのは法大だった。20分、9番・ディサロ燦シルヴァーノが放ったシュートのこぼれ球を15番・橋本陸が押し込んでゴール。そのまま法大ペースになると思われたが、関学大もすかさず反撃に展示、16番・安羅が積極的にシュートを放ち、法大ゴールを脅かす。すると前半終了間際の43分、関学大は7番・藤田大輝のドリブル突破から、16番・安羅ついにチャンスをものにして同点に追いつく。
 1-1で迎えた後半、法大は選手交代で流れを掴む。65分に8番・紺野和也を投入してチャンスを作ると、69分に5番・大西遼太郎が18番・松澤を介してボールを受け取ると、ペナルティエリア内で相手DFを振り切ってシュート。勝ち越し点を挙げる。法大はその後、U-21代表のFW、20番・上田綺世、10番・青柳燎汰を次々と投入して一気に攻め込むと、80分には5番・大西が相手のクリアボールを拾ってそのままシュート。攻守において存在感を示していた5番・大西遼太郎が2得点を挙げて関学大を突き放すと、そのまま試合終了。法大が2年連続で準決勝へと駒を進めた。




筑波大学 1-2 駒澤大学 @柏の葉公園総合競技場


 ともに2回戦では4-1と快勝を収めた筑波大学(関東地区第2代表・3年連続37回目)と駒澤大学(関東地区第4代表・8年ぶり15回目)の関東対決。

 11月末に行われた関東リーグの最終節にも対戦した両チーム。同じ、柏の葉公園総合競技場で行われたその試合では0-1で駒大が勝利している。その勝利で自信をつけた駒大は試合の序盤、サイドから縦に速いサッカーを繰り広げていく。駒大はディフェンスラインからのロングボールを11番・室町仁紀がヘディングでそらし、7番・安藤翼がチャンスを作る。筑波大のDFにはね返されても、ボランチの6番・大塲淳矢と13番・鈴木隆作が素早くセカンドボールを回収するなど、連携した動きで駒大がベースを握った。熊本内定の10番・中原輝のカットインからのシュートなど見せ場もあったが、なかなか得点にはつながらない。すると、中盤に差しかかるにつれ今度は筑波大がペースを握り始める。筑波大は7番・三笘薫と10番・西澤健太を中心に攻めるが、こちらも駒大守備陣の粘り強い守りでゴールをこじあけることができない。
 後半も筑波大が主導権を握るが、駒大の素早いプレスに苦戦し、思うように攻めることができない。すると66分、駒大が右サイドから攻撃を仕掛け、13番・鈴木から10番・中原へとパスをつなぐ。それを10番・中原がドリブルで前線まで持ち込んでグラウンダーのパスを入れると、10番・坂本がダイレクトで決めて、駒大が先制する。一方の筑波大も75分にコーナーキックのチャンスを獲得。10番・西澤健太が蹴ったキックはゴール前で混戦となったものの、最後は18番・犬飼翔洋が押し込んで同点に追いつく。しかしその2分後の77分、駒大は25番・桧山悠也の左サイドからのスローインを11番・室町がそらすと、そのボールを10番・中原が14番・坂本和雅へとパス。それを再び14番・坂本が決めて駒大が追加点を挙げる。終了間際は筑波大の猛攻を仕掛け追いつこうとするが、駒大もU-21代表の7番・三笘を5人がかりで止めにいくほど徹底した守備で得点を許さず、1点のリードを守りきって1-2で勝利を収めた。準決勝の対戦相手は、関西王者の大阪体育大学。夏の総理大臣杯で対戦し、敗れたリベンジを果たしたい。




福岡大学 0-1 大阪体育大学 @熊谷スポーツ文化公園陸上競技場



 二回戦で総理大臣杯覇者・明治大学を撃破し、勢いのある福岡大学(九州地区第1代表・2年連続42回目)と、静岡産業大学との死闘を制して準々決勝進出を果たした大阪体育大学(関西第1代表・6年連続21回目)の一戦。

 九州王者と関西王者の直接対決。試合は両チームともに硬い立ち上がりを見せたが、22分に大体大にチャンスが訪れる。左サイドで得たフリーキックを7番・浅野雄也がゴール前に蹴り込むと、それに5番・田中駿汰が頭で合わせるも。これは相手GKがセーブするも、そのこぼれ球を8番・堀内颯人が押し込んで大体大が先制する。その後は大体大が試合を支配するも、なかなか追加点を挙げられない。一方の福大は10番・梅田魁人と17番・梅木翼のツートップにボールを集めるも、こちらもシュートまで持ち込めず0-1のまま前半を終了した。
 後半は一変して福大が試合を支配する展開となった。22番・河原創や24番・倉員宏人がセカンドボールを拾いながら主導権を握り、ゴール前に攻め込むチャンスが増える。しかし大体大も4番・菊池流帆を中心に粘り強く守りゴールを割らせない。福大は試合終盤に30番・前田翔吾を投入して同点に追いつこうとするが、最後まで集中した守りを見せた大体大が1点を守りきり、大体大が準決勝に駒を進めた。





 準決勝は、12月19日(水)に味の素フィールド西が丘にて順天堂大学と法政大学が、NACK5スタジアム大宮にて駒澤大学と大阪体育大学が対戦する。

 九州王者と関東王者がそろって敗退した準々決勝。またプロクラブ内定選手を多数擁し、優勝候補の一角と数えられていた筑波大も敗れるなどの波乱も。結果、準決勝に駒を進めたのは順大、法大、駒大と関東リーグ所属3チームと関西王者の大体大となった。順大と法大はリーグ戦では1勝1敗と五分の対戦成績。次戦がファイナル進出とともに、今シーズンの決着をつける試合となるだろう。一方駒大対大体大は夏の総理大臣杯準々決勝の再戦となった。駒大が夏の雪辱を果たすのか、大体大がまたも勝利して決勝に駒を進めるのか。いずれにしてもファイナル目指し、負けられない試合となるだろう。