JUFA 全日本大学サッカー連盟

総理大臣杯
『2026年度第50回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』準々決勝マッチレポート
2026/09/08


 第50回の節目を迎える『総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』はベスト8が出そろい、ベスト4進出を懸けて9月6日(日) に準々決勝で激突した。

 夏の全国大会に激震が走った。大会の舞台を東北に移してから4年間、常に決勝進出を果たしてきた関西地区代表が準々決勝で姿を消した。3度の優勝を誇る大阪体育大学が関東2部リーグ所属の立正大学に3点を先取され敗れた一方、先日の天皇杯でJ1・水戸ホーリーホックを倒すジャイアントキリングを果たした京都産業大学は東海学園大学相手にノーゴールのまま敗退となった。

 一方、"関東対決"となった2試合は、関東2部所属の流通経済大学が1部の日本体育大学をウノゼロ勝利で"ジャイキリ"。また1部同士の対戦となった桐蔭横浜大学と国士舘大学の試合は、川崎フロンターレ内定・本間凜がハットトリックを達成するなどして勝利。この結果、ベスト4には流通経済大学、立正大学、国士舘大学の関東3チームと、東海地区代表の東海学園大学が残った。

 9月9日(水)に行われる準決勝は、流通経済大学と立正大学の"関東2部対決"と、国士舘大学と東海学園大学の対戦となった。
 リーグ戦では流通経済大学が立正大学に2-1で勝利しているが、今大会の立正大学は3試合で15得点と圧倒的な攻撃力をもつ。一方の流通経済大学は攻守にバランスの取れた隙のないチーム。ファイナリストになれば、2部チームながら冬の全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)への出場権を得られるだけに、どちらにとっても負けられない一戦になる。
 また東海唯一の生き残りである東海学園大学が、昨年度関東リーグ得点王・本間凜を擁する国士舘大学にどこまで食い込めるか。国士舘大学の4年ぶりの決勝進出か、東海学園大学の初の決勝進出か、こちらも見逃せない対戦となるだろう。



準々決勝 全結果・トーナメント表







マッチレポート




【M25】日本体育大学 0(0-1)1 流通経済大学
  @いわぎんスタジアム Aグラウンド

得点者:【流経大】笠木優寿(18分)

 準々決勝で繰り広げられた"関東対決"のひとつ、1部リーグ所属・日本体育大学(関東地区第6代表)と2部リーグ所属・流通経済大学(関東地区第3代表)の試合は、序盤にスコアが動いた。18分、流通経済大学柚木創がゴール前に入れたクロスに笠木優寿が反応。巧みなトラップでGKをかわすと、ボレーシュートを放ちネットを揺らす。流通経済大学はその後も日本体育大学の攻撃を封じて主導権を握り1点をリードして前半を追えた。
 1点を追う日本体育大学は後半の頭から、2試合連続ゴールの天野悠斗とヴァンフォーレ甲府内定・松山北斗をピッチに送り出す。対する流通経済大学も54分に奈須琉世、63分には深川晶斗といった2回戦の得点者を投入して試合を優位に進め、先制点を最後まで守り切って試合終了。1部の日本体育大学相手にウノゼロ勝利を収めた流通経済大学が2017年・第41回大会以来となる準決勝進出を決めた。

【M26】立正大学 3(2-0)2 大阪体育大学
  @いわぎんスタジアム Aグラウンド

得点者:【立正大】津島巧(7分、45+1分)、新納大吾(49分)/【大体大】三原拓也(90+3分)、隅野遥喜(90+6分)

 立正大学(関東地区第7代表)と大阪体育大学(関西地区第2代表)、関東2部と関西1部の東西対決。2019年・第43回大会 準々決勝以来の再戦となった本カードは、立正大学が試合の大半を支配する形で進行した。立正大学は序盤の7分、スルーパスに抜け出した津島巧が鮮やかなミドルシュートを放ちゴールネットを揺らす。津島の3試合連続ゴールで先制した立正大学は、前半アディショナルタイムの45+1分にも相手のパスミスからボールを奪った津島が、そのままシュートを放って追加点。立正大学が2点をリードして試合を折り返した。
 2失点を喫し、早めの選手交代で巻き返しを図る大阪体育大学だったが、後半に入ると立正大学がさらに攻撃のギアを上げて大阪体育大学に襲いかかる。後半開始早々の49分、田原瑠衣のロングパスに新納大吾が反応。そのまま抜け出すとペナルティー手前からミドルシュートを突き刺す。2回戦でハットトリックを決めた新納が試合を決定づける3点目を決めた。試合はその後も立正大学が支配し、立正大学勝利を掴むかと思われた。だが大阪体育大学も最後まで粘り強くチャンスを窺う。アディショナルタイムに突入した90+3分、90+3分に三原拓也が1点を返すと、90+6分にはロングスローからの折り返しを隅野遥喜が決めて追加点。立正大学に1点差まで詰め寄るが、大阪体育大学の反撃はここまで。あと1点が遠く、試合は3-2のままタイムアップ。準々決勝にして初の失点を喫した立正大学だったが、1点差を守り切って2019年の雪辱を果たすとともに、全国大会初のベスト4入りを決めた。


【M27】桐蔭横浜大学 2(0-1)3 国士舘大学
  @女川町総合運動場 第二多目的運動場

得点者:【国士大】本間凜(40分、57分、89分)/【桐蔭大】岡崎寅太郎(52分、59分)





 現在関東リーグでは首位を走る国士舘大学(関東地区第4代表)と同9位に沈む桐蔭横浜大学(関東地区第8代表)の関東対決。ここ2試合は先制点を許す展開となっている国士舘大学だが、3試合目にしてついに先制点を奪取した。40分、本大会初スタメンの川崎フロンターレ内定・本間凜が百瀬健のスルーパスに抜け出すとGKの位置を見定めてシュート。国士舘大学が1点をリードして試合を折り返した。
 ビハインドを追った桐蔭横浜大学は後半頭から攻撃の2枚替え。宮下拓弥と岡崎寅太郎を投入すると、怪我から復帰の岡崎が早々に結果を出した。52分、太田隼剛のパスを受けるとDFをかわしてシュートをゴール左隅へ。だがその5分後の57分、今度は国士舘大学の本間がゴール前のこぼれ球を冷静に収めてシュート。国士舘大学が再び勝ち越す。しかしその2分後、またもや桐蔭横浜大学・岡崎が混戦の中でボールを押し込んで追加点。本間と岡田のゴールショーが続き、スコアは2-2と振り出しに戻った。シーソーゲームに決着がついたのは終了間際の89分。国士舘大学・小西脩斗の左からのクロスを本間がダイレクトで合わせて3点目。本間がハットトリックを達成し、国士舘大学がまたもや勝ち越す。桐蔭横浜大学はみたび追いつくこができず2-3で試合終了。国士舘大学がシーソーゲームを制して準決勝に駒を進めた。
 2度追いつきながらも敗れた桐蔭横浜大学の安武亨監督は「この試合の感想は、本間凜がすごかった。それに尽きる」とまずは相手チームのエースを最大限にリスペクト。そのうえで「関東首位のチームに対してしっかり戦えた。この大会ですごく成長できたと思うし、リーグ戦後半が楽しみ。未来は明るいと感じた」と"関東対決"ならではの手応えを感じた様子だった。一方、国士舘大学の前田隆司監督は「3試合とも簡単な試合ではなかったが、逆に緊張感があっていい勝ち方だったのではないか」とコメント。ハットトリックでチームの勝利を引き寄せた本間については「去年のリーグ戦で得点王を取ってからは、ひと周り大きくなった。余裕というか、1発で仕留められる怖さが出てきた」という。本間自身も「ボール来たらこう入れ替われば入るっていうようなコツが掴めた」と自信をのぞかせる。だが過信はない。「キャプテンとしてやることはチームを勝たせること。味方のミスをカバーするのがチーム。ここから気持ちの勝負だと思うので、頑張っていきたい」と気を引き締めた。


【M28】京都産業大学 0(0-1)1 東海学園大学
  @女川町総合運動場 第二多目的運動場

得点者:【東園大】諸木愛大(5分)





 どちらも初のベスト4を狙う関西第1代表の京都産業大学と東海第1代表の東海学園大学が激突。試合は、地域王者の意地がぶつかり合う一戦となった。スコアが動いたのは開始早々の5分。東海学園大学はカターレ富山内定・香川太朗が左サイドを突破。カットインして放ったシュートはGKに弾かれたものの、そのこぼれ球を諸木愛大が押し込んで東海学園大学が先制する。「(香川)太朗くんは中も縦もいける。クロスを上げるにしろシュートを打つにしろ、こぼれてくるのは感じていたので中の意識はもっていた」と諸木。「思ったようなシュートではなかった」というが「結果的に入ったのでよかった」と値千金のゴールを振り返った。
 3試合連続で先制点を許すことになった京都産業大学は妹尾颯斗を中心に攻勢を強めるが、東海学園大学の集中した守備を崩しきれない。「相手がゴール前のスペースを埋めてきている中で、もう1つ踏み込んでクロスを上げにいくとか、ボールを持っていないオフの選手がアクションを起こすといった、チャレンジする選択ができなかった。結果、相手にとっては跳ね返しやすい状況だった」(京都産業大学・吉川拓也監督)。前半の終盤から早めの選手交代で流れを引き寄せようとするが、60分に投入した高川諒希が投入してわずか4分後に負傷交代するアクシデントに見舞われ、思ったように攻めきれない。結局、最後まで堅固な守備で京都産業大学の攻撃を跳ね返した東海学園大学が、先制点を守り切ってウノゼロ勝利。全国大会初となるベスト4入りを果たした。
 東海学園大学の安原成泰監督はこの試合を「初のベスト4入りを懸けた試合であるとともに、京都産業大学さんがすごくいいチームだと知っていたので対戦を楽しみにしていた」という。東海学園大学は本来「ボール大事にするチーム」だが、「今日はどうしても(京都産業大学を)リスペクトして、ブロックを作って守り、カウンターを狙うという戦いになってしまった。それでも辛抱強く、我慢強く守ったと思う」とコメント。次戦の対戦相手は関東リーグ首位の国士舘大学。関西王者の京都産業大学に続く競合との対戦になるが、「関東、関西のトップチームと対戦するのは楽しみでしかない。東海代表の我々がどれくらいできるのか。そういう意味でも大事な準決勝になると思う」と次戦に思いを馳せた。


準々決勝ゴール集