JUFA 全日本大学サッカー連盟

総理大臣杯
『2026年度第50回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』準決勝マッチレポート
2026/09/10


 大学サッカー夏の王者を決定する『2026年度 第50回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』の準決勝が9月9日(水)に行われた。準々決勝で関西勢がすべて姿を消し、ベスト4に残ったのは関東地区代表3チームと、東海地区代表1チーム。準決勝では、関東3チームのうち2部リーグ所属の流通経済大学と立正大学の2チームが直接対決。また関東1部チームで唯一の生き残りとなった国士舘大学は、こちらも東海地区唯一の生き残り、東海学園大学と対戦した。

 試合は流通経済大学が逆転勝利で2部決戦に勝利。また国士舘大学は2度追いつかれながらもエース・本間凜のゴールで接戦を制した。

 この結果、決勝は流通経済大学と国士舘大学の対戦となった。関東勢同士の決勝は2021年以来5大会ぶり。大会の舞台を東北に移してからは初となる。
 2部リーグ所属チームながら多くのタレントを擁し、攻守にバランスの取れたゲーム運びで並み居る強豪を退けてきた流通経済大学と、今大会の「顔」とも言える本間凜の得点力をベースに爆発的な攻撃力を見せる国士舘大学。特に勝負どころで見せる本間の集中力は、対戦相手にとって最大の脅威となっている。
 "第50代王者”の栄冠を東北の地で掲げるのはどちらか。大学サッカーの歴史に刻まれる最終決戦、そのキックオフは9月12日(土)13:00。宮城県・キューアンドエースタジアムで夏の大学王者が決まる瞬間が刻一刻と近づいている。



準決勝 全結果・トーナメント表







マッチレポート




【M29】流通経済大学 2(2-0)1 立正大学
  @みやぎ生協めぐみ野フットボール場 Aグラウンド

得点者:
【流通経済大】竹原伸(49分)、奈須琉世(67分) / 【立正大】津島巧(25分)





 準決勝の第1試合は、流通経済大学(関東地区第3代表)と立正大学(関東地区第7代表)による、関東2部リーグ勢同士の対決となった。リーグ戦での対戦成績は流通経済大学が1-0で勝利。リーグ戦では勝点1差で2位と3位に位置するライバル同士の一戦。準決勝に勝ってファイナリストになれば、2部チームでもインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)への出場権が獲得できるということもあり、序盤から緊迫感の漂う展開となった。
 準々決勝までの3試合で15得点という驚異的な爆発力を見せてきた立正大学が、この日も先に試合を動かした。一進一退の攻防戦が繰り広げられた前半、立正大は25分に右サイドに抜け出した笠井冠晟がゴール前にスルーパスを入れる。これに反応したのは3試合連続得点の津島巧。放ったシュートはGKに弾かれるものの、こぼれ球を再度押し込んで先制する。「失点シーンは、津島選手にボールを入れるという立正大学さんの狙いがわかっていてやられてしまった」(流通経済大学・中野雄二監督)
 今大会で初めて先制点を許す形となった流通経済大学だが、中野監督は「0-1で追うゲームをいかに冷静に、違いを見せられるか。試されている」と選手たちを奮い立たせる。すると後半開始早々の49分、流通経済大学は石原未蘭のアーリークロスに竹原伸がヘディングシュートを叩きつけてどう手に追いつく。その後は流通経済大学が主導権を握り、67分には今大会、初の本職であるDFとして試合に出場した奈須琉世が躍動。「DFとFW、どちらで育てるか悩んでいる」(中野監督)という奈須が、コーナーキックからの流れの中、GKが弾いたボールを頭で押し込んで流通経済大学逆転に成功する。
 対する立正大学は、前半終了間際に2回戦でハットトリックを決めた新納大吾が負傷交代。その影響もあってか、後半はなかなかシュートまで持ち込めず2-1のまま試合終了。2-1で競り勝った流通経済大が、2014年・第38回大会以来となる決勝の舞台へ駒を進めた。


【M30】国士舘大学 3(1-1)2 東海学園大学
  @みやぎ生協めぐみ野フットボール場 Aグラウンド

得点者:
【国士大】伊川侃太朗(22分)、本間凜(79分、89分) / 【東園大】今村元紀(45+2分)、香川太朗(87分)





 続く第2試合は、関東1部の首位を走る国士舘大学(関東地区第4代表)と、関東地区以外では最後の生き残りとなった東海学園大学(東海地区第1代表)が激突。試合が動いたのは22分。国士舘大学はコーナーキックの流れからルーキー・池田悠一がゴール前に入れたクロスを伊川侃太朗が頭で叩き込んで先制する。しかし前半終了間際の45+2分、東海学園大学の主将・今村元紀の放ったシュートをブロックした国士舘大学・伊川のプレーがハンドの判定に。ペナルティーキックを得た東海学園大学は今村自身が冷静にシュートを決めて同点弾。試合を振り出しに戻して後半に繋いだ。
 後半に入ると国士舘大学が猛攻を仕掛けるが、東海学園大学GK・笹崎翔矢(栃木SC内定)が何度となくビッグセーブで防ぎスコアは動かない。すると国士舘大学は65分、FWの村上竜規を投入。さらに攻撃を厚くすると、79分にはこの村上が右サイドから仕掛けてペナルティエリアにカットイン。DFをかわして出したパスを川崎フロンターレ内定・本間凜が冷静に合わせて勝ち越しゴールを奪う。だが、東海学園大学も東海王者の意地を見せる。87分、カターレ富山内定・香川太朗が技ありのミドルシュートを決め、土壇場で再び同点に追いついた。残る時間はわずか。延長戦も見えてきた死闘に終止符を打ったのは、やはり国士舘大学の絶対的エースだった。89分、途中出場・川原良介の左からのクロスを本間が頭で合わせて劇的な決勝ゴール。本間の4試合連続、今大会7得点目となるゴールで国士舘大学がスコアを3-2としてシーソーゲームを制し、2022年以来4大会ぶりの決勝進出を決めた。
 国士舘大学・前田隆司監督はまず「今日もゲームチェンジャーがいい仕事をしてくれた」と途中出場選手の活躍についてコメント。2点目、3点目はいずれも途中出場選手、前田監督の言葉でいえば"ゲームチェンジャー"が好機を演出。さらに2得点の本間についても「さすがの仕事ぶり。1発で仕留めてくれた。頼もしい限りだ」と絶対の自信を見せる。一方で今大会では1試合もクリーンシートがないことは「改善すべき反省点」。ただ「勝ってする反省はポジティブな反省になる。それを決勝に生かしていきたい」と語った。